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GO (角川文庫)

価格: ¥473
カテゴリ: 文庫
ブランド: KADOKAWA
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厨ニ病の作者が痛い。w ★☆☆☆☆
この小説の主人公は、
「俺はどの団体にも属さない。俺は俺だ。」
という自由人です。確かに青年期は、英米的な個人主義に
憧れ、自分の腕一本で、どの世界でも生きてみせると
天狗になる若者は沢山います。
一種の思春期病ですね。

ですが大人になれば否応無く実感します。
自分の価値観、道徳観、美的感覚、全てが結局は自分が
属してた集合体に、無意識レベルから莫大な影響を受けていたことを。
ヘタをすれば集合体そのものであることを。
そして自分の仕事も、その集合体が作った環境や、先人の仕事の蓄積や、
彼らの支持なくして成り立たないことを。
結局人間は、歴史や伝統から離れて生きることはできないんですよ。
正直、人生経験を積んだ、いい大人が書く小説か? と失笑してしまいました。
一言で言えば「痛い奴(笑)」

最後に気になったのが、この小説は一貫して
在日差別は日本人に原因があり、在日は日本人から
売られた喧嘩を買ってるだけというスタンスで
書かれていますが、本当にそこまで話が単純なら、
在日差別なんてとっくの昔に無くなってますよ(苦笑。
坦々とした筆致で詰め込んだ過剰な想いが本作の魅力 ★★★★☆
 映画『GO』の原作小説にして、第123回直木賞受賞作。著者の人気の秘密を知りたく思い、一番の代表作を読んでみた。確かに面白い。

 在日コリアンの男子高校生・杉原が主人公。高校入学以来23戦無敗の男として怖れられる彼の想いの丈と、謎の美少女・桜井との恋愛模様を交互に描いた、異色の青春小説。「青春とは、自分が何者であるかについて思い悩むこと」という意味で、青春小説。

 ちょっと不思議な構成の小説で、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を想い出した。2つの異なる物語が交互に繰り返される印象。暴力の世界に生きる杉原と、桜井とデートしている杉原が同一人物に思えないのだ。正直、最初はあまり面白く感じなかったのだが、杉原の2つの側面が交互に顔をのぞかせる繰り返しが効果的で、徐々に引き込まれていった。

 面白いのだけど、著者の小説家としての力量はまだまだではないか、という気もする。エピソードの断片の並べ方が悪いのか、相互の関連のつけ方が悪いのかわからないが、物語全体にウネリのようなものが感じられない。シンプルな起承転結のストーリー展開なのだけど、過剰に詰め込まれた主人公の想いが物語を埋め尽くしてしまっているように思う(逆に言えば、それが、切れば主人公の想いが溢れ出てくるような、この作品の魅力なのだろうとも思うが)。悪く言えば、想いの洪水の中に、起承転結展開のラブストーリーを無理に組み込んで、何とか小説としての体裁を整えた、といった印象。著者独特の坦々とした筆致でなければ、小説としては破綻してしまっていただろうと思う。

 「小説として面白かっただろうか?」と考えてみると、やや疑問に思う。つまり、この作品が小説ではなく、ノンフィクションやエッセイだったとしても同じだけ面白かったか、あるいは、もっと読み応えのあるものになっていたのではないか、という気もするのだ。主人公の一人称口調で記されている語りが、僕には著者の語りそのもののように感じられる。この話を一人称視点ではなく他の視点から書いて、それでも小説として面白い作品になっていたのだとしたら、著者の筆力はホンモノだと思うのだが…(ただし、この作品の魅力である「過剰さ」が失われてしまうが)。

 取り敢えず、映画を観てみないと…!!
オヤジ、かっこいい ★★★★☆
主人公・杉原の家族の戸籍は在日朝鮮人だった。在日韓国人に国籍を変えるところから、話が始まっている。その違いを、私はあんまり意識したことがなかったというのが、正直なところだ。
そんな私が差別のことに触れるのは難しいけれど、ミトコンドリアDNAの解説は私の大好きなくだりだ。
成長物語として魅力的だ。差別の問題は裏返せば、アイデンティティの問題になるし、ほんの少し世界を広く見渡せるようになった瞬間を見事に切り取っている。
また、恋愛物語としても魅力的。人を好きになるのは、その人だから、という以上に理由はないよね? そう問いかけてくる。自分だってついやらかしてしまうことでもあるが、属性を愛情の引き算に使うことは、愚かしくて悲しいことだ。
タイトルは、広い世界へ「行こう」という呼びかけのようにも読めたし、知らずに背負わされた「業」のような気もした。多分、読む人によって受け取り方は違っていい。
自分は自分。そういう根っこを感じることができたら、少しだけ、国境線が薄くなる気がする。
30代でも楽しめる青春恋愛小説 ★★★★★
小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をした、元《在日朝鮮人》で、現《在日韓国人》の男の子のお話。

イジメ、差別、国籍、ルーツやDNA、友人の死などを、テンポのいい語り口で爽やかに読ませ、会話も面白くて何度も笑ってしまいました。
「韓国の人や中国の人は血が汚い」と子供のころからお父さんに言われていたガールフレンドの桜井に対し、「どういう風に、この人は日本人、この人は韓国人、この人は中国人、て区別するの?」と訊きかえすシーンがあり、本当に考えさせられました。
また、お父さんとタクシーの中で口論になり、外に出てタクシーの運転手さんをレフェリーに対決するシーンは爽快で笑ってしまいました。

私は大阪で生まれ育ったのでまわりにはたくさんの在日韓国人・朝鮮人がいたはずなのですが、両親は差別的なことを言わない人でしたし、学校内でもそのことを理由にしたイジメがあった記憶はありません。
また、高校生のときにバイト先のミナミの飲食店で仲良くなった女の子ふたりとある日「パフェを食べに行こう!」となったのですが、待ち合わせ場所にあらわれたふたりは制服のチマチョゴリ姿でニコニコしていました。
朝鮮学校のことを当時知らなかった私は「変わった制服だなぁ…」くらいしか思わなかった記憶がありますし、その女の子たちも特に気にする様子もなく普通に仲良くしていました。
だからこの本や、映画「パッチギ」の中での朝鮮学校対日本の高校の間の対立?を見ると、考えさせられると同時に少しの違和感もおぼえました。
ちょっと昔の話なんでしょうか…

とにかく「日本は単一民族」と発言した中山成彬元国交相に是非読んでもらいたい本です。
『自由』とは不安定な小さな足元から始まるのか ★★★★★
青春恋愛小説である
しかし
主人公は在日朝鮮人から在日韓国人に国籍をかえた男の子
中学校まで通った民族学校ではなく都内の男子校に進む
在日と言うことで差別は勿論あり友人はできず、
中学までの友人も裏切り者と離れていく
愛する恋人との関係も日本人ではないということで
うまくいかない事もあり…

若い頃思い悩む『恋』『友人関係』とありきたりの要因が
『差別』がからむため非常に濃い内容となる
主人公は体を鍛え、本を読を読み、友を思い、恋人を思いと
人生を一生懸命、誰よりも深く考え真面目に生きているのだが
『在日』と言うこで日本人の人よりも世界が狭められている
『在日』と『日本人』の違いは何もない!あるならなんなのだ?と
主人公が悩むさまに胸がうたれる
差別がある狭められた世界から『俺は俺でなんでもない』自由だと
広い世界を作ろうとする行動に心が動かされる
今、なおある差別について今一度考える機会となる1冊である