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小林秀雄全作品〈1〉様々なる意匠

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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出戻り読書家のおっさん再挑戦する! ★★★★★
かえりみすれば40年ほど前、高校1年生の時、三木清「人生論ノート」、亀井勝一郎「愛の無常について」そして小林秀雄の「私の人生観」の3つの内いずれかを読み読書感想文を書けという夏休みの宿題があり、「かったるいなぁ、この高校のOBらしいからコレにすっか」と文学青年とはほど遠い私が軽い気持ちで選んだのが小林秀雄との付き合いの始まりでした。16歳の青二才に理解できる内容ではありません。しかし何と深い知的興奮を与えてくれたことか。「すごい、何だかよく分からないが、この人は本物に違いない」という直感を子供心に持ちました。この時買った角川文庫はその後も何度も何度も読み直し今でもぼろぼろになって書棚にあります(私の読書歴でこれほど繰返して読んだ本は他にありません)。大学生になった後も全集(12巻本)や、その後に書かれた「本居宣長」や、諸々の対談集なども買い揃え読みふけったものでした。しかしどこまで理解できたものやら。ただ上っ面を撫でていただけのような気もします。でも「小林秀雄は全部読んだんだぜぇ」という達成感と満足感だけは得ることができました。…そして時は流れ社会人となり浮世に揉まれ、小林秀雄とも縁遠くなり、気付けば40台後半になってしまっていました。そんな時ふと考えました。「職場から墓場へなんて嫌なこった。50過ぎたらお金も地位も要らないよ。自分の好きなことをして過ごしたいもんだ」と。そして時間に余裕ある仕事に変え(年収は半分ほどになりましたが・・・)、今や50台半ば。最近は年間150冊超の読書三昧の日々です(おかげですっかり目が悪くなりました)。そして何故だか分かりませんが昨年後半あたりから小林秀雄が気になって仕方なくなりました。…という訳で何十年ぶりかの再挑戦です。折角新しい全集が出たので心機一転こちらで読むことにしました。確かに視覚的に慣れ親しんだ文章・頁(それ自体がよくできた美術品のようです)が、この全集は新字体、新かなづかい、ふんだんな振り仮名、しかも脚注付になりましたので初めは面喰いました。でもすぐ慣れましたし読みやすいことも確かです。本も安価だし小型軽量で持ち運びにも寝っ転がって読むにも便利です。今や小林秀雄はよい意味での古典と割り切り、体裁にこだわるのは止めました。要は理解し楽しめればよいのです。その意味では小林秀雄未経験の若い世代あるいは私のような出戻り読書家にはタイムリーかつ新しいアイデアに満ちた企画だと歓迎する立場を取ります。これにより作品が末永く読み続けられることを望むばかりです。…ところで、この年齢になっても小林秀雄はやっぱり難しい。オレって進歩が無いよなぁ〜!
読みやすい ★★★★★
とにかく読みやすい。大きさもそうだし、文字もそうだし、脚注もある。
前までは、巨大なサイズの全集しかなかったから、これは本当にありがたいと私は思った。
また、脚注も非常に便利。私はあまり文学に明るくないから、途中で出てくる文筆家の名前が分からなかったり、時代背景なんかが分からなかったりするから。

まあ、分からなくても全く問題はないんだけど。でも、この手の本にありがちないたずらに読み辛いところがなくったのは素直に喜ぶべきかなあと。本来誰にでも分かる考えが、そういった要素で伝わらないのは勿体無いですよね。

以前の巨大な全集が愛蔵版で、日常手元において読むのがこっちという様な位置付けで出版しているようだけど、私は、本を物としてとっておきたい、揃えたいという様な気持ちはさほど無いのでこれだけで十分。やっぱり、線を引いたり、マーカーを引いたりしながら読みたいから。立派過ぎると汚し辛いのです。

全集をこういった形で出すというのは珍しい事なのかな。
もともと全集には、お手軽なイメージは無いから・・・。
でも、稀代の批評家、異端の哲学者小林の発する言葉には
   無駄なものは何一つない
というとちょっと言いすぎかな。これほど厳しく鋭い言葉って他にあるだろうか。
誰にでも通じる普遍的でかつ誰にも似ていない個性的な言葉が読みたければこの男の仕事に注目。
この言葉、間違いなく100年たっても古びない。

これこそ男の仕事ですよね。