本当は星なんて附けたくありません
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私は右翼でも左翼でもありません。いや、もしかすると右翼でも左翼でもあるのかもしれません。このような曖昧な母国観を抱いているのは果たして私だけでしょうか?
戦中、当局は、そして世間は、一体どのようにして一人の若者から思想と言論の自由を奪っていったか。ここに記されているのは一青年の薄幸物語などではなく、一個の強靭な思想の形成史なのです。
右か左かということに囚われなくても国を想うことは出来る。そして国を想う(かなりダサい響きにかんじられるかもしれませんが)ことなしに現在の平和を享受する資格は私達にはない。改めてその事に気付かされました。大切な一冊です。