加門氏自らが体験した怪談
★★★★☆
企画・編集は三津田信三氏
加門氏が自ら体験した怪談を語る
「死者の霊」「生霊」「守護霊」「獣の霊」「死神」「神霊」等等
様々な体験をされています。
「三角屋敷を巡る話」は伝奇小説顔負けの凄さだ!!!
霧島ケイ氏が体験し、加門氏も関わっている話で、「蟲毒」を仕掛けられてしまった様子が語られます。
小野不由美氏の「悪霊」シリーズでも「蟲毒」の話があったが、それに匹敵する。
否、実話だけにそれ以上か!
信じててもそうでなくても
★★★★☆
オカルトを信じてる人はこの体験談は全肯定(加門先生凄い霊感!!なんて多彩な経験!!なのにユーモアも失わない、素敵!!)、
信じてない人は全否定でしょうね(なんか一冊丸々オレ話。幽霊が見えるなんて言い出すのは必ずクラスでも目立たない女、なんて説思い出した…)。
ただもう一つ、
「作者に嘘を付く気は無くても結果的に嘘になっている」という解釈も出来ます。
(「幻覚?」「見間違い?」「勘違い?」「友達が話を合わせてないか?」)
とりあえず三通りの読み方が出来るこの本はお勧め。
面白い事に間違いはありません。
オカルト嫌いには全く怖くない怪談
★★★☆☆
少なくとも現代の作家が語ったり創ったりする「怪談」は、幽霊や妖怪の存在を信じ切っている人にも、頭から信じていない人にも怖く読める工夫がされているものです。そしてその工夫の一つのパターンとして、「どのようにとらえても腑に落ちることがない」というものがあり、実話系怪談、つまり実話っぽい怪談には、多く使われているようです。
それはジグソーパズルのピースの数が多過ぎたり少な過ぎたりするようなもので、オカルト的に考えようが合理的科学的に考えようが、必ず”すわり”が悪くなるようになっています。
しかしこの本に収録されている怪談は全て加門七海さんの「実体験」とされており、霊現象そのものは「当然あるもの」という前提で語られています。そして聞き手の三津田信三さんもその前提には全く疑問を差し挟むことがありません。
そのためこの本の全体を通して「合理的な解釈をしてみよう」という態度はまったく見られません。
そのため「霊現象を、ひいては加門七海を信じるか、否か?」の答えいかんで、全く評価が違ってきてしまうでしょう。
霊現象あるいは加門七海さんご本人に対して否定的な方がこの本を読んでも、収録された話の内容をとても信じることができないでしょうし、「インチキ話や与太話を読まされた」と不快になってしまうかも知れません。
逆に言えばオカルト好きにはかなり興味深いと思われる話が語られており、特に最後に収録されている「人を呪うためにわざと最悪の家相にした挙句、その効果を上げるために儀式をほどこされた家」いうのはなかなか面白いというか、オカルト系の小説を読むような感じで読み進むことができ、非常に楽しめました。
オカルト好きには是非。オカルト嫌いなら絶対にスルーしましょう。
おもしろいけど、癖がある
★★★★☆
作者の実体験に基づく、怪談集ということで、リアリティがあり、怖く楽しく読めました。
怪談の種類にもバラエティーがあって、飽きることがありません。
だだ、作者が神道?や宗教?などオカルトに関する造詣が深く、こうした現象に対して確固としたポリシーを持っているため、やや解説的なパートや、自分のポリシーにもとづいて怪異を論ずる所が多くみられます。なので、『新耳袋』のようなシンプルな怪談集をもとめる方、少し読み進めて作者と考えが合わない方は読むのが苦しいかも・・。
かく言う私も、途中で作者の持論についていけず、少し読むのがしんどくなりました(笑)
少し厳しくなってしまいましたが、全体的なクォリティは高く、収録されている話は本当に怖い!ので、読む価値はあるとおもいます。
面白い!
★★★★★
加門さんの小説は読んだことがありませんが、不思議な経験をされているということは別の本などから知っていました。
私は怪談、オカルトは好きなほうですが、結構怖がりなので、あまり後味の良くない怖い話は嫌いですが、この本の内容は怖いけれど、加門さんの表現と明るい考え方の文章に引き込まれ、どんどん読んでしまいました。
怖いですが面白いです。
数時間で一気に読んでしまいましたが、特に家鳴りなどもなく安心しました。
怪談ではありますが、加門さんはいろいろな勉強をされてる方だなと思いました。
私も古典や民俗学など勉強してみたいと思わせる本でもありました。
お薦めです。