とかく育てにくいとされ、世の親たちを悩ませている男の子がどうしてあのようなのか教えてくれる本です
★★★★☆
俗に、「一姫二太郎」などという。一人目は女の子の方がいい理由は様々だろうが、男子の方が育てにくいとされるのも大きな理由になっているはず。
落ち着きがない、乱暴だ、ものを覚えるのが遅い、コミュニケーションが苦手等々。男の子は、とかく世の親たちを悩ませてくれる。
本書はアメリカの実態を踏まえて書かれた育児書ではあるが、日本の事情にも十分よくあてはまる。著者の研究によれば、男の子があのようなのは、テストステロンというホルモンのせいだという。この男性ホルモンが彼らを冒険好きにしている。
もう一つ、脳のしくみも女子と違う。右半球と左半球のつながりが少なく、成長もゆっくりなので、言語能力の発達が女子より遅れやすい。生まれながらの性差は確実にあるのだ。
だから「劣っている」とか「仕方ない」とあきらめるのではなく、性差を理解した上で適切なかかわり方が必要だと著者は説く。その具体的なノウハウが満載の1冊だが、自分の経験から考えてもうなずけることばかりであった。