意外にありそうでなかった京都の通史。古代から近現代までをカバーしている。
　バラエティに富むキャラクターや事件が次々と展開していく京都の歴史を新書一冊にまとめるのは苦労があったとみえるが、オーソドックスにまとめている。
　これまでの京都の本に加えてこれが一冊あると、これまでと違った歴史的・通時的な視点がえられるかもしれない。

遷都される前の京都や
江戸幕府が倒れた後の
時代の中心に京都が無かった時の京都を読み解こう
日本一のモノ
日本で唯一のものが溢れる
世界的にも有名な街のまだ私達の知らなかった事が紹介されます
京都通のあなたも
まだ訪れた事のないあなたにも
知ってほしい京都のレアな情報が満載です
２冊目の旅行ガイドにどうぞ

「物語〜」シリーズではあまり評価できない本だ。確かに江戸に政治中枢が移るまでの1000年間が肝とはいえ、300ページを超える書中で戦後がわずか7行しか触れられていないのは残念だ。かなりの分量が各寺社の縁起に当てられ、それと通史的な内容が輻輳しているので、読みにくさが半端ない。また、通史を扱っているのに、年表がないというのも痛い。人物に焦点が当たっていないので、なんとなく臨場感がなく、読んでいて教科書的に感じる。平たく言って面白くない内容だった。

各寺院などの索引、充実した参考文献一覧、3枚の古代京都図に免じて、☆は２つ。