買うほどではない
★☆☆☆☆
たしかに成瀬の研究本はあまりなかったですね。その意味では貴重な書物かもしれませんが面白かったのはエドワード・ヤンの文章だけでした。これを書かせたのは蓮實先生の功績でさすがと思いますが当の蓮實先生の文章がおもしろくないです。全体的に内容の薄い本でわざわざ単行本にする必要はなかったように思います。内容を半分くらいにして雑誌の成瀬特集みたいな感じで充分では。田中真澄さんの成瀬本よりはずっとマシですが… 編者として蓮實・山根なかよしコンビの名前が並らばっているのには微笑みをさそいます。
これ以上のものは今のところ・・
★★★★☆
各論、それぞれ質的にはばらついてますが、
とりあえずは、ここまで突っ込んだ成瀬論はなかなかありません。
できれば、更に、リュミエール叢書で第二弾・三弾と続く論を望みます。
プラスマイナスゼロの出来
★★★☆☆
映画評論家ジャン・ドゥーシェと映画監督エドワード・ヤンのエッセイが光っている。成瀬監督のすごさが伝わってくる。そのわりには日本の若手の書き手たちがふるわない。蓮実御大も相変わらずの蓮実節で、これといって新味なし。プラスマイナスゼロの出来。