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子どものリアリティ 学校のバーチャリティ (フォーラム共通知をひらく)

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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精神鑑定人はすべからく著者を見習うべきだ ★★★★★
著者の浜田氏は、犯罪者の精神鑑定人として仕事をする中で
疑問をいだいてきたことがある。刑の軽重を決める大事な役目を持つ鑑定は
果たして、本当に予断や先入観からの軛(くびき)を逃れているのかと言うことだ。

暗澹たる気持ちになるが、その答えはNOである。
つまり、鑑定人は、間違った判断を下しているのである。
解らないといえばいいものを決して解らないとは言わず、
「家庭環境に問題があると思われる」
などと言うのである。検事や家裁調査官もそれを無批判に取り上げる。
被疑者の母親が「家庭環境に問題があったんじゃないですか」
と「事件直後」に「拘束された状態」で聞かれて、
「絶対にそんなことはない」と言えるひとがどれだけいるだろうか。
「そういう面があるのは否めません」
と言うのが精一杯なのではないか。

ましてや、テレビに出て会ってもいないのに、心の中を見てきたかのように言う
似非心理学者は言語道断だ。

浜田氏は、豊富な調書の実例を上げて、こう言った、精神鑑定人の陥穽を指摘する。
佐世保事件、甲山事件、弘前大教授夫人殺人…

精神鑑定人の力にも差がある。
私の判断だが、フロイト流の精神分析学者は、時代遅れで間違っており、
(何でもリピドー屋)
ユングを修めたという人も危うい。
(オカルトUFO屋)
浜田さんは奈良女子大の先生だが、精神鑑定人は西高東低である。

関東以北に住んでいるひとは……と言う問題ではないはずである。
子どもを持つ親は読むべきだ ★★★★★
佐世保事件がおきたとき最近の子どもはいったいどうなっているんだとは思ったが、詳しく考えることもなく過ぎていた。この本を手に取って「子どもは変わっていない」というところに興味を持って買ってみた。読み進むにつれ裁判所や精神鑑定医の判断にあきれてしまった。確かに少女が犯行数ヶ月前に書いた作文を読む限り普通より少しませてはいるがどこにでもいる少女である。にもかかわらず家裁の決定要旨ではその作文に何も触れずに本人の生来的資質と両親の育児に問題があると捉えている。本来であれば当の作文と犯行までの心理に着目すべきだし、通っていた学校の問題に何も触れないのは片手落ちではないか。

筆者が言うとおり、これは加害少女やその両親の問題というより学校または社会の仕組みの問題であり、学校の存在は構造的児童虐待だと私も思う。今不登校やいじめや引きこもりなどの問題の根底を考えずに対処療法に終始している学校、文科省、精神医、裁判官そして子どもを持つ親たち多くの人にぜひ読んで考えてもらいたい一冊である。