頑張ってもできないことがあることを許容する
★★★★☆
発達心理学者で、刑事裁判の精神鑑定人でもある、浜田寿美男さんの講演を
大幅加筆訂正した著作である。
中で印象に残った点を、抜粋する。
浜田さんは、次のように主張する。
「世の中には、人間には、頑張っても実現できないことがある。社会はそれを許容すべきである」
ぼくが書くと、説教じみて聞こえるかも知れないが、浜田さんの語り口は、決してそうではない。
人間には、何かをやろうとしたとき、3つの壁が現われる。
A「自然の壁」B「生活の壁」C「人間の壁」
Aは災害だ。Bは生活苦だ。Cは、今の社会が抱えている、世の中から加えられる
こうあらねばならないという圧力である。
私たちは、その圧力からもっと自由であってもいいのではないか。
その圧力から、逃れられないと感じると、人間は大いなる不自由に陥り、
爆発、暴発する。と浜田さんは説く。