スピリチュアルの教科書として、いつも傍に置きたい
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浅野和三郎氏をして「これほど会心の作物に接したことがない」と言わしめている霊界通信です。
マイヤースの霊魂をカミンズ女史が自動書記で受け取ったものを浅野氏が訳しています。
マイヤースは、帰幽者を「肉の人」「魂(ソウル)の人」「霊(スピリット)の人」と3種に分ける所から話を始めています。
肉の人〜魂の人から類魂〜霊の人へと進み、その後には、有形から無形への通路を通り、更には物的宇宙からの離脱(時の流れの外に離脱)、更に、宇宙に即してしかも宇宙を離脱している状態=永遠の大霊の中に君臨している状態へ〜、それが人間の踏んで行くべき大道であると述べています。
霊性の進化ということを思うにつけ、更に更にと進化したいと願うのですが、「宇宙を離脱」、「時を離脱」、と聞くと、気が遠くなる程の永遠の大道であることを感じさせられます。
更に「個人的存在の彼方」の中では、このように語っています。(大意)
「我々は、断じてただ地上の同胞のみを伴侶として永遠の旅を続けているのではなく、実に目に見えない我々の祖霊、また太陽系の他の諸天体の居住者達とも、立派な道連れなのである。彼らは物質的には我々と全く別世界の住人である。しかし精神的には我々と全く同一家族なのである」
まさしく、私たちは皆同胞。行くべき道は個人的存在を超えた永遠とも思える遠い大道だと感じますが、その道を行けるのかと思えば、こんなに小さな私でも同時に大きな喜びに包まれます。
浅野氏の後に、近藤千雄氏の「永遠の大道」も探して読ませて頂きました。
解りやすさで言えば近藤氏に軍配が上がるでしょうか。けれども、どちらにもそれぞれ捨てがたい味があります。どちらにしても、素晴らしい内容だと感じています。
近藤氏の訳本を読みながら何度も思ったのは、中学生高校生の教科書として、学校でこのような本が選ばれる社会になったら、どんなに素晴らしいだろう!ということです。今巷に蔓延しているような悲しい事件は格段に減るに違いありません。
グループソウル
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古くから伝わる「個としての」輪廻転生は、実は、転生のごく一部を表したに過ぎず、個は個としての独自の個性を持ちながら同時にグループソウル(類魂)の一部として物質界での経験を積むことが、フレデリックマイヤーズの霊界通信により分かった。これは、Silver Birch も説くところであるが、二十世紀以降、いよいよ人類は幼年時代を一歩抜け出した知識を持つことが許されるまでになったと感慨深い。
原書 "The Road to Immortality" の英語は、同じGカミンズ女史の記述になる「イエスの少年時代」の叙情性と比べ、まったく異なる英文である。このプラクティカルな原文で読むのもいいが、浅野和三郎氏の大正期の和文体は、我々にやっともたらされた霊的黎明を著者自身、感動の落涙の中で綴っていることが伝わってくる。
すばらしい
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私が読んだのは、近藤千雄訳の全訳版ですが、大変すばらしい内容でした。人間という存在や宇宙の構造など、かって大学教授であり詩人でもあったマイヤースが、死後の今いる段階から把握できるかぎりの情報を、本当に真摯に学究的な態度で解説してくれます。なおかつわかりやすい言葉を使ってくれているため、宇宙と人間の全体像をどの本よりもはっきりと描くことができました。
あとがきにも書かれているように教訓的な本の部類ではないですが、宇宙の構造や人間が辿っていく段階、そこに至る過程を描写した正直でロマンティックな文章は、何よりも心に響く教訓であり、精神世界に向い合う時必要な正しい精神的態度を学ぶことができました。
人間がなぜ存在しているか?など普遍に問われ続ける謎は、人間が個人的人格でいる限り理解することはできず、マイヤースのいう第4段階に至り宇宙的人格に目覚めて初めて知り始めることができるものなのだそうです。存在する目的がわかってしまった時点で存在する意味もなくなるかもしれません。とにかく人間が常に疑問を持っている謎について、非常に示唆に富む答えを与えてくれる本でした。
もう1冊の「個人的存在の彼方」全訳版も同じくおすすめです。
読み手を選びますが・・・
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この書はスピリチュアリズムのパイオニア的存在です。
霊媒の自動書記による、高級霊界からの貴重な通信記録です。
内容も、実に本格的であり、まやかし等一切ありません。
昨今のスピリチュアリズム・ブームの火付け役でもある江原啓之氏も
彼の著書のなかで、この本の一読を薦めております。
この霊界通信では、私たちの死後の存在について説き明かしております。
難点を言えば、訳者が明治生まれの方であるために、
文体が古くて読みづらいことでしょうか。
誰にとっても必読の書であることは疑いありませんが、
スピリチュアリズム初心者の方は、
いきなり手を出さないほうが無難だと思います.
ある程度スピリチュアリズムの基本を養われたうえで、
是非この本を手にとっていただけたら良いと思います.