「がん」予防を科学的に啓蒙
★★★★★
生活習慣病に関する情報が氾濫していると言っても過言ではない。テレビ番組の影響からか、その日に報道された内容から野菜、果物などが店頭から消えてしまう珍現象がよく起っている。「がん」に対する不安感が目先の確証もない不明確な情報に飛びつく。
著者は日本がん研究の最高峰の「国立がんセンター」の予防研究部長として活躍され、具体的な疫学調査結果に基づく情報を発信されている。古くから言われていることであるが、禁煙、塩分摂取を控える、適度な飲酒、バランスのよい食生活、運動などが「がん」予防によいようである。具体的な疫学調査に基づく提言は説得力がある。便秘と大腸がん、緑茶とがんなど通説とされている事例が意外と関連性に乏しい結果となっている。本書を丁寧に読めば、正確な「がん」予防知識を取得できると思われる。