やはり類い稀なる名著
★★★★★
本書は、この上巻と併せて読むことにより、スケールの広い、視座を与えてくれます。
私ごときには、とても手の届かない高度の体験を著者は、分かりやすく提示してくれています。もちろん、それは、私にとっては、似姿モデルを頭の中に描くぐらいしか出来ませんが、様々なところで起こる事象や、カルト問題、迷妄オカルトについて、一定の判断の出来るよすがとなってくれます。
30年前読んで、私にはちんぷんかんぷんだった、著者の若き日の重要な論文『宗教経験と存在』を再読してみて、もしかして、これは、こういうことなのか、という理解にも繋げてくれました。
本山博氏の積み上げられたものの大きさを感じます。
なお、『宗教経験と存在』で、よく引用されていた『日本真言の哲学』も、最近大法輪閣から、復刻されました。
ひとつの成果が大団円を描き、呈示されていることを強く感じます。