澁澤と三島、二つの個性の調和は?
★★★★☆
評価は☆四つになっていますが、本音では☆五つにしてもいい本です
この下巻では特に交流も深かった三島由紀夫のことについて多く語られ、四十五作中二十作が三島について書かれた文章です。澁澤を通じて語られる三島の姿は非常に興味深く、その三島の死後、彼について語る文章には、分析的でありながらも言い難いわびしさを感じさせ、博覧強記の鎧の中の澁澤龍彦の感傷的な一面をうかがうことができます。
もちろん、他の作家たちに向けられる視線もあいかわらず独自の鋭さをもつ澁澤の個性的な視線であるのは言うまでもありません。
当然、こちらも澁澤龍彦 日本作家論集成 上 (河出文庫)併せて読んでください。