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乃木大将と日本人 (講談社学術文庫 455)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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乃木将軍の苦悩と戦前の名文 ★★★★★
 日露戦争時に乃木大将率いる第3軍に従軍したアメリカ人の青年記者が、明治天皇崩御に殉じて割腹したfather Nogiの印象を記した貴重な資料である。当時の日本人ではなく、第3国の20代若者が見た日本人武士の生き様は、今日の日本人が失った大切なものを気づかせてくれる。
 また、日本語に訳されたのは大正時代であるため、仮名遣いが改まっているとは言え、日本の美しい言葉が随所に散りばめられた古典文学として読むこともできる。帰国する青年記者に述べる別れの言葉は、爾霊山、金州城下作など名漢詩を残した乃木大将ならではの表現である。日→英→日と訳された言葉であるため原文は不明ながら、今の世でも感動の一言に尽きる。
 戦後民主主義の悪癖により戦前と切り離されてしまった我々の世代が、このような戦前の名文に触れなくして自らの誇りを取り戻すことは無いであろう。
 また、実際の戦闘については、不当に乃木大将が貶められた司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」ではなく、別宮暖朗氏の「旅順攻防戦の真実」により認識を改めることも重要かと思う次第である。
乃木大将を味わう ★★★★☆
本書の書き出しは「大きな仕事よりも、むしろ人格によって、その時世に非常な貢献をする人が、三十年に一度か、六十年に一度くらい出現することがある。」である。しかし、乃木大将没後100年近く経った今に至るまでに、人格によって貢献をするような人が出てきたであろうか。

大きな仕事によって語り継がれる人に比べれば、人格によって語り継がれる人は非常に希有な存在といえるだろう。その希有な存在の乃木大将を味わうことのできるのが本書である。水師営の会見について書かれていなかったのが残念である。
米記者がみた乃木の真実を馨る名訳で。日本語の最高傑作 ★★★★★
坂の上の雲を読んだ後にこれを読み直し、衝撃的興奮と感動を受けた方は少なからずいるのではないかと思う。

私が書く以前に、この作品を推薦するのは、徳富蘇峰と、幣原男爵である。その貴重な巻言は巻末に寄せられている。更に言うと、これは昭和天皇の天覧も賜っているという。

乃木が愚将との話があるが、乃木を語るを以って、これだけの箔がつくことに私は衝撃を受けた。愚将という認識のみでは、多くが欠落することは疑いもない事であると思う。というのも、一度動き出すと、驀進を緩めなかった乃木第三軍が、奉天の戦場に入るや雄叫びをあげながらロシア軍に与えた脅威というものは、誠に恐るべきものだったのである。そこには、世界からの敬意すら集まったという話を、無視する訳にはいかないだ㡊??う。

これは、米国新聞記者であり、実際に乃木第三軍付従軍記者を勤めた作者が、殉死の衝撃から筆を執った乃木回顧録である。その内容は、もう鳥肌が立ってくる。

山本五十六と同級であるとの高校教師・目黒真澄訳は、美である硬質な漢文と、流れでる詩のような日本語を見事に繰り出す事により、「乃木とはかくの如き人であった」という回顧と追憶を、静かな筆遣いで完成させていく。その質は、恐らく当代、最高級ではないかと思う程で、普通の速度で読めば、百頁に満たない為、アッと読み終えてしまうのであるが、ゆっくりと、文字の流れを読み進めるや、突如、胸の打ち震えるような、静かな感動が押し寄せてくるのを、幾度となく感じる内容となっている。

頁も少ない。箔もあり、内容も最高ときている。!昭和55年に初版復刻版が出、私の手許にある平成12年度版では15刷となっており、知られてはいないものの然るべき人には、読み継がれている。新渡戸稲造は「武士道」を世界に掲げた。それから数年後、乃木と東郷の二人が、最高の武士道、サムライとして、大英帝国の皇室から招待されたという情景は、真実なのである。これは価値のある古典的名著だ。

日本人なら、たまにはこういう渋みのある作品も読まれたい。