奇妙な日本人旅行者たち
★★★☆☆
1996年に旅行人から出た『沈没日記』を加筆・文庫化したもの。
アジア各地を旅行した思い出話が手際よく紹介されている。短い文章が多く、いくらか食い足りない感じがするが、安心して読める面白さ。
本書は旅先で知り合った奇妙な日本人旅行者たちを取り上げた章が秀逸だった。サハラ砂漠をリヤカー引きながら縦断した河野さん、最後は刑務所に入ることになってしまった(?)コメットさんなどなど、日本国内ではちょっと出会えないような人たちが描かれている。彼らは日本では受け入れられないような奇人だったのか、それとも、アジアを旅するうちに奇人になってしまったのか。気になるところである。