近年の大野雄二の最高傑作では!?
★★★★★
ついに大野雄二のオリジナル曲がひとつもないアルバムになってしまったのだが、むしろそのおかげで、メロディ・メーカーとしての大野雄二の衰えをまったく気にすることなく、天才アレンジャー・大野雄二の健在ぶりを知ることになった。
特に1曲目、「Theme From M*A*S*H」には唸らされる。すっかり“大野節”になっていて、それは『SPACE KID』の頃の輝きに負けていないものに仕上がっている。ちょっとカッコよすぎるのだ!
若いミュージシャンと、中川昌三や岡沢章といった、大野の「戦友」とでも呼べるプレイヤーたちとの融合も、実にバランスが取れている。できるならここで伊豫部富治のミキシングの曲も聴きたかった気もするが、それは贅沢かしら。
ともかく、すばらしいアルバムである。