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住宅顕信読本―若さとはこんな淋しい春なのか

価格: ¥218
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央公論新社
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   1987年、住宅顕信(すみたくけんしん)という俳人がひっそりこの世を去った。享年25歳。浄土真宗本願寺派の僧侶だった。10代はリーゼントにサングラス、16歳で年上の女性と同棲。22歳出家得度、以後、結婚、白血病の発病、離婚、病室での育児に句作と、普通の人の何倍かの早さと勢いで人生を駆け抜けた。そんな男の肖像と、ひりひり心ふるわす俳句の詰まった1冊。サブタイトル「若さとはこんな淋しい春なのか」は、彼の句である。

   住宅顕信は、種田山頭火や尾崎放哉を師として、5・7・5の定型や季語にしばられない、自由律俳句をつくった。発病してから逝去までのわずか2年数か月に詠まれた句は281句。そのうちのほんの一端を紹介してみる。

あさり、うっかり閉じ忘れた口をとじる
月、静かに氷枕の氷がくずれる
かあちゃんが言えて母のない子よ
淋しさは夜の電話の黒い光沢
許されたシャワーが朝の虹となる

   切りつめた最小限の言葉に、不安におののく心が見え隠れしている。本書と同時刊行の句集タイトルになった句「ずぶぬれて犬ころ」は、「骨まで/濡れて/一匹の子犬」と仏訳され、フランスの俳人にも深い共鳴を与えていると、日本放哉学会会員の見目誠は書く。国境を超え俳句が広がりをみせる現代でもある。本書では、夏石番矢のような俳人だけでなく、小説家辻仁成、小林恭二、長嶋有、精神科医香山リカ、映画監督石井聰互、俳優佐野史郎、プロレスラー新崎人生ほか、顕信と親しかった句友や編集者、ジャンルを超えた総勢22名の書き手によって、顕信の人と俳句の抗いがたい魅力が伝えられる。

   ゆかりの品々や幼時からの写真をちりばめた、中村裕編略年譜が秀逸だ。また、各執筆者が引用した顕信の句が、巻末に50音順に掲載されていて、句集の役割をしているのもうれしい。(中村えつこ)

住宅顕信の宇宙に出会える本 ★★★★★
図書館の詩や俳句関係書籍が置いてある一角。「刺激的な言葉は無いか…。」
探し求めて居た時に目に飛び込んで来た【若さとは/こんな淋しい/春なのか】の句。

住宅顕信読本って書いてあるけど、名前なんて読むんだろう、
この句詠んだ人ってどんな人なのかな!?早速借りて読んだ。

そして住宅顕信(すみたく・けんしん)さんが1961年生まれで矢沢永吉、
永ちゃんのロックが好きな極く普通の青年でも在った事。句作は骨髄性白血病を発病してから、
1987年の逝去までの二年半で生涯に詠んだ句は281である事。
その間、離婚した妻との間に生まれた息子を引き取り、病室で育児して居た事、等を知った。

顕信さんの句のバックグランドを知る度に、
『この句は、いつ頃、どんな気持ちで詠まれたのだろう!?』。強く惹き付けられる。
それほどに顕信さんの詠んだ自由律俳句は活き活きとして魅力的だ。

熱狂的なファンになった小説家長嶋有さんや、歌手友川かずきさん、俳優佐野史郎さん、等など。
ジャンルを軽く飛び越えて総勢22人の方々が書かれている住宅顕信さんへのラブレターが読める
素晴らしい本です。 3つ程、僕の好きな句も紹介させて頂きますね。

【夜が淋しくて誰かが笑いはじめた】、
【何もないポケットに手がある】、【あけっぱなした窓が青空だ】。
小林恭二著ではなく,小林恭二他著です ★★★☆☆
住宅顕信という自由律俳句の書き手についてと,句について,
俳人,歌人,文芸評論家,大学の人,作家,精神科医,プロレスラーなど多数の人が語っています。

表題にもなっている
若さとはこんな淋しい春なのか
は彼の句です。

小林恭二がまるまる1冊書いているのかと思って購入したので,少しあてが外れましたが,

心に引っかかるいくつかの句に出会えたので,結果よかったです。

でもこの俳人にはじめてふれるのは,この読本よりも単独の句集のほうがふさわしい気がします。