戦国武将の「呪術と占星」について記述した本
★★★★☆
「戦国軍師の合戦術」というと、ふつうは兵法や陣形、相手方の諜略など「軍師がどんな戦略・戦術を駆使したか」というような内容をイメージすると思う。少なくとも私はそのような内容の本かと思って購入したが、実際は平成10年2月出版時の原題が「呪術と占星の戦国史」であるように、「戦国武将の生活や合戦においてどれだけ呪術や占星が影響を与えていたか」について記述した本だった。たとえば、武将たちが戦いの日を吉日・凶日で判断していることや様々な縁起かつぎをしていることなどを、さまざまな原典を示しながら丁寧に解説している。
このような観点は日ごろあまり語られない側面であり、それはそれでたいへん興味深い本であるが、
・300ページ近くが呪術や占星の話ばかりであり、後半は少しあきあきした。
・タイトルが内容を表しておらず、私の期待した内容の本でなかった。
の2点で不満が残った。