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グラデーション (光文社文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光文社
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14歳から23歳までのグラデーション ★★★★☆
どこにでもいそうな、あまり派手ではない女の子、真紀の、
14歳から23歳までの割と普通な生活を描いた作品。

親友への想い、うまくやれない自分への嫌悪感、教師への憧れ、進路の悩み、
そういった、思春期で生まれる割と普通の感情が一人の女の子を、ほんの少しずつ大人にしてゆく。
その過程が自然に描かれています。
私は男なのでその年頃の女の子が何思ってるかなんて正直よくわかりませんが、
こんな子確かにいそうだなって、見守るような気持ちで、心地よく読むことができました。

文章も癖がなくて読みやすく、あまり気負わずに、サクッと読めます。
300ページ程度ありますが、私は新幹線で移動中の1時間半で読み終わりました。
主人公と同年代の女の子よりも、少し歳を取った人が読むほうがより好印象かもと思います。
暇な休日なんかにおすすめしたい一冊。
面白かったです! ★★★★☆
主人公が14歳の少女から23歳の大人の女性に成長して行くまでを描いた連作小説集

こんなお話いいなぁ〜。

過去の自分を思い出して(うん、うん)と頷いたり、若さ故の悩みや失敗を(自分もこんな事あったな)と感傷的になったりしながら気持ち良いリズムで読めました。

23歳以降の物語りも読みたくなる作品

最後の終わり方も自然で無理がなくて良かったです
自分自身の色をつけていく成長物語 ★★★★☆
主人公の真紀は地味で平凡な女の子。
クラスメイトの女の子達がきゃあきゃあ盛り上がる
男の子の話題やゴシップめいた噂話は苦手。
そんな自分がひどくお堅い、
陰気な人間のような気がしてひそかに自己嫌悪に陥る・・・そんな子。
おおよそ主人公には向いてないタイプですが、
真紀のような子を見てくれている男の子がちゃんといること、
真紀の良さをすぐに見抜いてくれる同級生がいることを嬉しく感じ、
なんだか私自身が真紀になったかのように、すごくリアルに感情移入できました。

友人たちとの関係、母や姉との関係・・・
女性なら必ずどこかで懐かしさを感じ取るアンテナが反応しちゃうはず。
そんな意味で女性向けの作品といえるのかな。

どの章もスパッと完結しているわけでなく、
どこか尻切れで物足りなさを感じてしまうように唐突に締めくくられます。
でも、読了した今になって思うと、
その作為的な書き方はとても意味のあることに思える。
真紀の人生は文章に描かれてない部分でも存在していて、
ここに描かれているのは
彼女の人生のほんと些細なエピソードにすぎないと感じさせるのに効果的。
より強く、彼女をリアルに感じさせます。

真紀は高校で美術の楽しさに触れ、
その方面の学校へ進むことになるのですが、
そうでなくてもこの「グラデーション」ってタイトルはいいなぁ。
迷い、傷つきながらも、
どんどん自分という色を濃くしていく・・・だから「グラデーション」。
少しづつ自分色に色づいていく等身大の主人公が瑞々しい。
大きなドラマはないけど、
自分の近くにもいそうな誰かの青春をのぞき見るような心地よい作品でした。