田島貴男・チバユウスケ・奥田民生との競演が話題になった"Stompin' On Down Beat Alley"からわずか10カ月で製作された10thアルバム。10カ月ですよ。10カ月。時間をかければ良いもの必ずできるとは限らないけれど、過去のアルバムはどれも一年かそれ以上、長いときには二年近く練られてできている。なんでも曲作りの合宿まで組まれたらしい。新曲はまずライブで演奏し、それを繰り返す中で曲を練り、そしてアルバムというカタチに収める、というのがスカパラのスタイルではなかったろうか?むろん彼らのスタイルは変わるものであり、曲作りの姿勢だって変わってくるだろうが……。
そんなヘトヘトな状況下で曲を創らされたスカパラだが、なかなか良作がそろってる。ゆったりとしたナンバーを中心に、"Rule Of Danger" "WRECKIN’ BALL"のようなハードな曲が入る。スカパラが"手癖"のようにやっている楽曲をストレートに、アグレッシブにやっている。僕はこれを以前「ひねりがない」と思ったが、これはこれで。
にしても圧巻なのは後半のNARGOの怒涛の四曲。"銀河と迷路" "Lover’s Walk" "The Third Era" ヒヤムタ曲をはさんで"Skank In My Bones"。爽やかな銀河に始まり、ゆったりとしたラヴァーズ・ロック、アルバム"ARKESTRA"収録の"Blue Mountain"をぐぐっと発展させたような哀しく攻撃的な"The Third Era"(←ギュロギュロ唸るシンセも印象的な名曲!)。書く曲の幅が広い!しかもどれもレベルが高い。"Skank In My Bones"なんか、疲れ過ぎて狂ったみたいになってる。