金平糖の角を真面目に議論する偉大な物理学者
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コンペイトウの角が出てくる物理学的理由をまたまた、あれやこれやと議論しているが、本当に楽しい著者である。「科学と文学」では科学者の生活やら仕事を分かりやすく解説。こんなに月日が経っても科学者の生活がまったく変わっていないことに笑ってしまう。「科学者とあたま」はすべての大学生がいちどは読むべきである。いや、すべての大学入試の問題文に使えば、受験生の適性は一目瞭然であろう。問題は、こうした氏の記述を理解するには、科学の世界過ごして随分と失敗を重ねながら気づくような、レベルの高いことを記していることであろうか。氏の記述は簡潔、簡明であるが、しっかり理解するには集中的な思索が必要な気がする。かといって、氏の著作が分かりにくいというわけではなく、とっつきやすいのだが、その実、奥が深い、ということである。