ゆとりをもった、今もって正確な意見、的確な科学観に感動
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「地図をながめて」、普段何気なく眺めている地図の貴重さをいまさらながら気づかされる。「B教授の死」、親しくした外国人研究者の顔が浮かんできそうである。合掌。「日本人の自然観」は、日本独自の個性を掘り下げている。今日、グローバル世界とかいって、つい、日本人としての長所等考えることもなくしているが、こうした優れた随筆を読むと自分も日本人として世界に通じる研究を発信しなければ、と思う。一巻から通して読むと、氏のゆとりをもった、今もって正確な意見、的確な科学観に感動。