1970年代、アメリカ郊外の静かな住宅地。両親は保守的で厳しいが、何不自由なく暮らす美しい5人姉妹の末娘が自殺を図る。そしてその死から1年も経たないうちに、残りの姉妹もすべて自殺してしまう…。姉妹に憧れていた少年たちが回想する形を取りながら、少女の危うさとエロチシズムを繊細な映像と音楽で描いている。 フランシス・フォード・コッポラの実娘ソフィア・コッポラの長編第1作であるこの映画、演出上の食い足りなさは残るものの、そこが妙に映画のテーマである少女性にマッチしていて、あやうくうっとりしてしまう。少年たちが電話を通して姉妹に70年代の切ないポップスを聴かせるシーンは印象的。キャスティングは秀逸。特に奔放な四女ラックスを演じたキルスティン・ダンスト(『スパイダーマン』)の美しさは出色だ。(茂木直美)
もの足りない
★★★☆☆
ロスト・イン・トランスレーションを観た時にも思いましたが、題材は良いのに描写の深さがもの足りません。物語ですから構成の一部に死が存在するのは構わないというか作者の自由ですが、思春期の感性は大人によって行動が制限されただけで死に至るようなものではないと思います。死より重い多感な時期を表現できたらよかったのにと思いました。
おしゃれな映画ではあるので、ただ見ている分には楽しめるかもしれません。
心理描写は邦画にかないませんね。
男の子のための映画
★★★★★
表面的に映像のかわいらしさだけで判断すると、この映画はまさに
女の子のための映画である。
可愛らしい70年代のアメリカの小物。学校生活。
しかし次々と自殺する五人姉妹はその内面の葛藤――死を選ぶほど
すさまじいものであるはずなのに、を語ることはない。
彼女達の死に至るまでの過程は、外側から憶測で、または客観的
事実として語られるだけである。
少年達は年近しい、しかし内面に絶対的な隔絶のある少女達に畏怖
しているようにも思えた。
自殺することで男達の、少年の心の”偶像”になった五人姉妹は、
知る人がいる限り永遠に美の象徴のように語られるが、果たしてそ
れは彼女達の幸せなのか、と考えると、少女の憧れる自殺に対する
強烈な皮肉のようにも感じられた。
キルスティン・ダンストもすばらしいが、一番最初に命を絶つ五女
セシリアの演技は、幼いながらけだるさを感じさせるすばらしいも
のであった。
それにしてもオーブンに頭を突っ込んで死ぬというやり方は、この映
画の感傷的なまでの美意識を鑑みるに、意外だった。
個人的にはそれが良かったが、観る人によっては最後の詰めの甘さみ
たいなものを感じるかもしれない。
何年か後・・・
★★★★☆
何年か後経っても、思い出せる映画だと思います。
姉妹の美しさが残っているのか、痛いほど苦しい空気を覚えているのか、私はこういう青春映画は好きなんですがまったく異質の成分を持った映画だと思えます。
この映画で知ったソフィア・コッポラも大きな監督になりましたが、はっきり断言します。
この映画を超える作品はまだ作れていません。
思ったより
★★★☆☆
面白い映画では、なかった。キルスティン・ダンストは、やりまんキャラだし、あの家てか、あの母親のもとに生まれていたら、私でも家出するか、自殺します。
10代の頃の思い
★★★★★
全体的にとても美しかった。そしてこの何かが胸に残るような感覚、俺は大好きだ。この映画の中で『死』というものはメインになっていない。まるでこれまでもが日常的な事だとでも言われているように感じる。日常に溶け込んでいるごく普通のことのように。
自分はまだ思春期と言われる時期にいると思う。けれどそんな俺でも思春期ってこんな感じだな。と客観的に見れてしまう。自分が不幸のどん底にいるような錯覚におちいる、何にもないけれども何故かモヤモヤする。それが思春期。みんな一緒。
言葉にあらわすことができないが、見終わった時、何かを考えさせられた。モヤモヤがとれなかった。 何故かいたたまれなくなった。
それも好きです。