著者の想い
★★★★★
得意領域に引っ張って先人に恩返ししようという意欲が読めてとれます。
そのために、「たくさんのコンテンツを盛り込もう」、「長い文章や複雑を短くシンプルに」という一部の読み手を意識した損得勘定を無視したホスピタリティも垣間見れます。。
しかし、それが読み手によっていろんな解釈を生むのもこの書の特徴ですが、想定ターゲットを絞っているので、その問題もないのかと。。。
これから戦略等を学ぼうをする人で、基礎知識や実務経験に自信がない人は読んだほうがいいし、自信があっても、読んで無駄はないと思います。
論文指導を受けたことのない人は誤釈するかもしれないですが。。。
それにしても、あと数円で送料無料の1500円なのに、あえてその価格にしなかったように感じますし、その部分からも実に著者の想いが垣間見れる。そんな本です。
感謝します。
非常に話の中身が薄い
★☆☆☆☆
前半から中盤がフロー理論。後半が戦略論をからめたマネジメントへとなっている。
前半のフロー理論は言っている内容は非常に面白い。しかし、中身がいろんな事例、
イチローの話など、各書から引っ張りまくっており、非常に読みにくい。ほぼどこかの
ページで事例や誰かの話した言葉を引っ張っていると思う。
後半の戦略論は一般的な戦略論を述べているが、内容はアンゾフ、ミンツバーグなど
を読んでいれば特段新しいことはない。
唯一後半で面白かったのは、飲食店のコンサルを行っている時の出来事が書かれてい
る箇所。彼自身飲食コンサルをされているようで非常にリアリティがある。
最終的に、問題は全体的に本当に中身が薄いことだ。フロー理論とそれに独自のエッセ
ンスを加えただけのほうが良かったのでは?と思う。そもそも原田氏の箇所を除けば90P
ほどしか無い。さらに文章が書かれている範囲は各ページの上部分は空いており文庫本
ほどの大きさでページを使っている。
その中で二つを取り扱っているのでこうなったのか?と思ってしまう。
非常に残念。
西洋と東洋をつなぐ新たなコンセプト
★★★★★
チクセントミハイのフロー理論と
「禅」のエッセンスを経営論に取り込もうとする
意欲的な一冊。
企業も、その中で働く個人も、
やりたいこと(will)の掘り下げからスタートするべし、
との著者の主張は
至極当たり前のように思いながらも実践できていない
というビジネスマンは多いのではなかろうか。
挑戦的で考えさせる内容の一冊
イマージョン経営という新しいコンセプトを提言
★★★★★
新たなマネジメント手法である「イマージョン経営」のコンセプトを、チクセントミハイの「フロー理論」を絡めて提示している。
イマージョンには没頭・没入という意味があるが、組織に所属するメンバー達の間にイマージョンを呼び起こすことで、
真に生き生きとした組織を創造することが出来るという。
イマージョン経営を実現するためのコミュニケーション手法として、ダイアローグの重要性に注目し、
「禅」における「公案」の有効性を指摘している。
この先駆的な新結合の試みは、西洋と東洋の哲学の補完性を探求する研究とも云えるだろう。
みんなが生き生きと働き、成果を上げ続ける組織づくりの方法
★★★★★
フロー理論とは心理学者チクセントミハイが提唱した、「楽しさ」という
内発的動機を起点としたモチベーション理論です。本書はこのフロー理論に
基づいて、働く人々が没頭するほど仕事を楽しみ、高い成果をあげ続ける企
業となるための経営のあり方について探求した一冊。
といっても抽象的な話に終始しているわけではなく、400社をコンサルした
という著者らしく、経営理念、組織開発、戦略策定についてフロー理論から
アプローチし、社員が生き生きと働けるようになるための具体的なエッセン
スを抽出しており、それが本書のセールスポイントになっています。
個人の内発的動機をエンジンとして企業経営にダイナミズムを生み出して
いく方法論は、何か足りないものを得ることがモチベーションの源泉とはな
らなくなった時代の、有効な経営手法になる可能性があると感じました。