多額の遺産が入った途端に怠けだした挙げ句、思いつきで喫茶店を開いたダメ親父。
そんな親父に振り回される娘は、離婚した母に救いを求めるが、まるで他人事。
おまけに、喫茶店のバイトで入った女性は、これ見よがしに色気を振りかざす軽薄女…。
誰もが「喫茶店でもやりながら気楽に生きていきたい」と思った経験はあるだろう。
この映画の父親は、偶然にもそれが叶ってしまった。料理もロクにできないのに…。
宮迫博之演じるこの親父を笑えない全国のパパさんは多いに違いない。
非常にリアルで、考えさせられるものがあった。
ただ、素子役に麻生久美子を抜擢したのに疑問がある。
「26歳の色っぽい尻軽美女」という設定なのだろうが、どうしたって26にもそれ程の美女にも見えない。
一目見ただけで彼女に心奪われる裕次郎や客に、まるで感情移入できない。
また、私は女性の描写がリアルだとは思わなかった。特に咲子。
「女子高生なんてこんなもんでしょ?」ってな具合で描かれたのではないか。
母親のダメさ加減はリアルだった。昨今の離婚した女性像をよく描いている。

中年男性必見の映画だろう。
とはいえ、私は中年でも男性でもないが、楽しませてもらった。

ストーリーは、水道工の父と高校生の娘の話。母親は離婚して一人暮らしをしている。
祖父の死により、遺産が転がり込んだ父は時代にはそぐわない｢純喫茶｣を経営し始める。特別に目標があるわけでもないので、経営はグダグダ。果たして彼は、彼女はどうなってしまうのか？？という作品です。

のんびりとセツナイ

基本的なゆるい雰囲気にのんびりとした安心感やせつなさを感じます。言葉に出せない、気まずさや微妙なキモチなんかの動きが感じて取れる作品ですかね。

おっさんの気持ち、乙女心、芸人さんを起用しているので、小ネタを差し込んでくるんですけども、そういったものも含めて、日常描写のようで、非日常的なズレを生じさせています。

それがこの映画の味になっている気がしました。そんなに気合を入れてみる作品でもないので、時間があるときに、チラッと見てみたら面白いと思いますよ。

どうしょうもないダメオヤジが、自分の父親の遺産を使って女目当てで喫茶店を開業する話です。
ストーリーの大枠は荒唐無稽でも、その中に出てくる登場人物たちは驚くほどリアル。


「三つ子の魂百まで」

このことわざのように、自分を変えようともがく登場人物たちは何も変わらないままラストを迎える。
ドタバタ劇で終始笑わせながらも、見ている私たちにチクっと突き刺さるようなメッセージを残してくれた。
温かくもちょっと切ない素晴らしい映画だと思いました！

麻生久美子さん演じる“もっこ”のような女性、本当にいますよね。何となく、とか、気が付いたら、って言葉がとてもしっくりくるヒト。
相変わらず、根本的なところは何にも変わってなさそうですが笑、彼女にとっても純喫茶磯辺で過ごした時間は大切な思い出になっていたようで、とても温かい気持ちになりました。


宮迫さんも脱力感のある、親しみやすい演技で素晴らしかった。仲里依紗さんは健康的で抜群に可愛かった。そして、ダンカンさんは変態丸出しだった。



優しい気持ちになりたい時に是非。

それほど期待して見たわけではなかったのだけど
思いのほかすごく良かったです。
ダメ親父とか、男の人にショックを受けるとか、
ダメ親父が嫌いだけど大切とか。
結構清く正しく生きてるのに、思い通りに行かないことばかり…
私が20歳位までに味わってきた色々がリアルに詰まっていて、
咲子にものすごく共感してしまいました。
若いながら仲里依紗さんの演技が素晴らしく、
微妙な気持ちを巧みに表現していて、
これを見て以来大好きな女優さんです。
元気な役の多い彼女ですが、ちょっと影のある役も見てみたい。
宮迫さんとのかけあいも自然だし面白かったです。
この監督さんの他の作品も見てみたいなぁ。
もっと評価されて良い作品だと思います。