聖子は、義君が以前ひやかすクラスメイトに対して放った「聖ちゃんはただの幼なじみだ」という言葉が胸に引っ掛かっており、義君を恋愛対象で見る事を潜在的に避けている。その為義君の成長ぶりを見ながら感じている『好き』という気持ちの意味合いが変化していることに気付こうとしない。そんな中、穏やかで優しい義君とは全く逆のタイプの太堂君が現れる。聖子はそんな太堂に気持ちが揺れていくが・・・。
思春期の気持ちの変化が絶妙なタッチで描かれている一作です。幼い頃には必要なかった枠組みを突然突き付けられて、どうしてそんな風に分類しなくてはいけないの?と思ったこと、振り返ってみると沢山あった気がします。この物語においての枠組みは、「幼なじみ」か「恋人」か。ただ好きで一緒にいたいと感じるだけなのに何故分類しなくてはいけないのでしょうか。