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ことばの力を育む

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 慶應義塾大学出版会
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「言語教育」の具体的教授資料となりうる意義ある本 ★★★★★
著者は、以前より小学校での英語教育の必修化に対して疑念を呈しており、
小学校では英語よりも、「母語の知識を活かした、気づきを高める言語教育」
の重要性を訴えてきた。

しかしながら、現場の教師(で言語学等を学んだことがない方)にとっては、
実際にそのような教育を行うためには、何をすればいいのか分からない人も
多くいらっしゃるのではないだろうか?

本書は、そのような要望に応えるものとして位置づけできる。
言語学研究を理論的背景に取り、その中でも小学生にも興味が持て、ことばの
面白さに気づけるような題材を集めたものである。
言わずもがなだが、言語学理論を背景に取っているということが、言語学の導入
を促しているわけではなく、著者たちがご自身の研究の中で「面白い」と感じた
ことを「言語教育」として、平易に伝えようとしたものである。

構成としては、著者の言語教育の考えや理念を伝える「理論編」と、実際の言語
教育現場で使える題材を集めた「実践編」と、「資料編」に分かれている。

まずは、文科省の「小学校英語必修化」の流れに反対意見を述べるだけでなく、
このような具体的で実践的な代替案を作られたことは、非常に意義深いことである。
現場の教師も、この本の内容全てを教えるのではなく、目の前の児童の実態を鑑みて、
興味を引きそうな内容を、上手く調理して教えれば確かに著者が述べる「母語の知識
を利用した、気づきを高める言語教育」が行えると思われる。

今後は、この本の内容を使った実践報告や、児童の意識変化調査等が出てくると、
さらに深まってくるだろう。
小学校の先生へ ★★★★☆
今、小学校英語が賛否含め問題になっています。この本は、英語の発音などの技術習得だけに効果を見いだす、早期英語教育論に一石を投じる視点で書かれています。ことばの力とは、英語だけでなく国語や他教科も含めて育てていくものです。そこを無くして、外国語教育は成り立ちません。小学校では、英語習得より、「ことばの面白さ」「ことばへの気付き」の経験をたくさん積ませるべきです。小学校の英語の時間に、担任の先生が無理をして英語を話すより、ことばの面白さに気づかせる授業をしていけばいいのです。小学校で英語の授業に苦労している先生は、本書を読めば、きっと少し気が楽になるでしょう。
理屈抜きに面白い、でも、理屈も面白い! ★★★★★
 西遊記の「孫悟空」とドラゴンボールの「孫悟空」は発音が違う。そして、たんに違うだけではなくて、それぞれの発音が「発音のルール」に従っている。しかも、発音の区別をしていることに私たちは気づいていない!
 この本の「実践編」は、目からウロコの「ことばネタ」が満載です。面白い話題をこんなに詰め込んで1600円というのは信じられないくらい。「実践編」だけを抜き出して一般書として売り出してはいかがでしょうか。
 教育関係者なら「理論編」は必読です。筆者たちの意見に賛成する人も反対する人もいるでしょうが、自分の主張が「反対のための反対」や「賛成のための賛成」にならないためには、この本の「理論編」に書かれているような「整然とした議論」が不可欠です。