手元においておきたい本です。
★★★★★
天風さんの本は、いくつか読んでいますが、この本は読み物としての核心が述べられていて、何回読んでもその度に深められるようです。その他の講演録も多くの聞き手を間近に相手にしていて、その言葉の伝わり方がダイレクトでよいですが、本書は一つの研究書としてすばらしいと思います。決して難解な言葉の定義をしているわけでなく、順を追って人生の核心部分の問題提起をして、紐解き、最終的には言葉以上の問題にぶつかるが、そこで終わるわけでなく、ちゃんとした方法論を述べている。「真人生の探求」では、いろいろな角度から述べられているところを、「我とは」「心とは」というところから説明を展開していて順繰りに段階を登っていくようになっています。言い回しは古くて分かり辛いところもあると思いますが、ルビもふられていて、何回か読むうちに、言葉遣いもしっくりしてくると思います。