味わい深いアルバムです。
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いろんな清志郎のアルバム聴いてきています。どれもすごく好きです。秋の十字架は味があって、とても好きなアルバムです。気がついたら最後まで聴いていた、という感じで、聴いている間は清志郎の歌の世界にどっぷりひたれる、とても味のある、清志郎らしいアルバムです。買ってよかった、と思えるアルバムです。ありがとう、清志郎。
反戦、反核ソングへの絶望感「口癖」
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いくら反戦、反核ソングをライブで歌ってきてもそれが清志郎の思っているように観客に伝わらないもどかしさとなかばあきらめた気持ちが込められているのが、♪バカなんじゃない人類って?誰も仲良くできない♪♪愛がほしいなんてただの口癖♪と歌われている「口癖」からは、清志郎のメッセージソングが伝わっていないことに関してのむなしさが歌われているように思えて、孤独な一面がうかがえます。
家庭を持ったことで、清志郎の歌詞と曲の世界はとてもひろがったと思います。気に入らない人、それがたとえ家族でも、うっとうしい父親をゲーム感覚でBボタンで消しちゃいなという歌詞の「グレイトフル・モンスター」などはその一例だと思います。
清志郎ほど「今」という時代をとらえていたアーティスト(彼はバンドマンと呼ばれたいでしょうが)も少ないと思います。多様な曲はその時の清志郎の心境だったのでしょう。それが古くなっていない事に驚かされます。
なおラフィータフィーのライブハウスツアードキュメント「不確かなメロディ」の「特典」で、このジャケット撮影が数分流れます。ホテルのベッドのはしに腰かける清志郎。わざとふざけて隠微(いんび)な質問をするスタッフ、そして、バケツの水を頭からかぶせられる清志郎。あれ、ホテルから苦情はこなかったのでしょうか?
渋柿のような・・
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タイトル通り秋の夜長にしっくりくるアルバム。ジャケットやブックレットの写真・デザインも秀逸。派手さはないものの「水の泡」「凍えて眠れ」は言葉の響きがずっと胸に残るシブイ傑作。冬・夏・秋と続いてあと残すは「春の十字架」だけとなりましたが・・・このシリーズは基本的にその時の世相を歌ったものが多い気がするので、春のイメージではどうなるのか?いつかそれが聴ける日は、もう少し明るい世の中になっていますように・・・