ポップでさわやかな万人受けするアルバム
★★★★★
マニロウが最も人気が沸騰してた頃、最も多くの人に発売を待たれていたアルバムで、また
日本でも「コパカバーナ」がディスコブームによりヒットしたため、日本でも一番有名なアルバム
だったともいえる。日本では当時ラテンポップのディスコ曲をヒットさせた人として有名となり、
ともすればフリオ・イグレシアスの二番煎じ的な扱われ方をしていた節さえあった。
元々はブルックリン出身でNYを活動拠点にしてきたが、このアルバムから西海岸に拠点を
移し以前のバンドやコーラスから独立(?)し、よりポップス色を強くし誰にでも聴きやすさを
大事にしながらもバラエティ豊かな音楽性もこれまで同様に発揮している。
特にラテン色を前面に出した1のCopacabana、ピアノとストリングスで華麗な9. Losing Touch、
ジャズバーでの弾き語り風な8. I Was A Fool 、ジャケットそのままのイメージともいえる
12. Sunriseなどでいい味付けを出している。
もちろん自作の7. Even Nowをはじめ、ヘレン・レディの持ち歌2. Somewhere In The Night や
カーペンターズも取り上げていた4. Can't Smile Without Youなどもマニロウ流のアレンジで
大ヒットを記録している。
個人的にはこれ以前のNY録音時代のアルバムが、少し翳りや憂いのある面と共に若々しく
パワフルでロックやソウル色があって好きだった。このアルバムでは例えば軽快なジャズ
コーラスでスイングしたり、バックの黒人コーラスとのかけ合いでシャウトする場面も影を
ひそめている。
その変わりこのアルバム全体には、いかにも西海岸的な雲ひとつない晴天のカラっとした
風がマニロウの声質とマッチしてアルバム全体を優しく包みこんでいて、老若男女誰にでも
受け入れられそうな出来になっている。結局セールス的にも大成功したためかグラミー賞を
はじめとして、それまで評論家受けしなかった彼が一番評価を受けたのもこのアルバムでと
いうことになった。
珍しくカバージャケットとイメージがよくマッチしている、早朝に聴くのにも適したアルバム。
初恋と失恋の想い出
★★★★★
ニューヨークのティン・パン・アレーの伝統を受け継ぐポップスメーカー・バリーマニロウ1978年の作品。CMをはじめ耳にすることも多いディスコ曲1をはじめ2、4、7がシングルヒットした。特に”Can’t Smile Without You”はビージーズ旋風が吹き荒れていた時代でなければNo.1ヒットになっていた可能性も高く、すでにスタンダードと呼べる名曲だ。この曲も含めて過去の大ヒット曲”Mandy”や”I Write The Song”のように「前半はしっとりと後半は盛り上がって」という人間の生理現象に忠実なラブソングがここでも多く聴かれるが、9や12のしっとりとした余韻も魅力的だ。本作とビリージョエルの”The Stranger”を同じ時期によく聴いていたのですが、同じ都会派ポップスでもガッツがあるビリーの男性的な音に対して優しく柔らかい音が対照的な印象だった。
本作はいかにもポップス然としているので、今では振り返られることが少ないのが残念ですが、初恋と失恋が交錯する時期にはこのラブソング集はとても共鳴できる作品で、そんな時期に出会うことがあったらきっと思い出深い作品になることでしょう。
ポップスファン必携の名盤の一つ
★★★★★
1978年当時全米第3位となったこのアルバムは、バリーの代表作と言って良いでしょう。運悪く当時チャート1位は「サタディ・ナイト・フィーバー」2位がクラプトンの「スロー・ハンド」だったので、3位に甘んじることにはなったけれど、グラミー賞"Album Of The Year"ノミネートなど、まさに1978年アメリカ音楽界を代表するアルバムの1枚と言って間違いなし。このアルバムまでは東芝EMIから発売。
今回のこれはこの名盤にボーナストラックが収録された再発盤。Bruce RobertsとCarole Bayer Sagerによる曲"I'm Comin' Home Again"は結局完成されなかったデモ版が収録されていてレアです。
捨て曲無しの名盤の好例
★★★★★
随分前にリイシューされたものだし今さらレビューも不必要とは思いながらも、最近久々に聴きなおして感動を新たにしたのでレビュー書いてみました。とにかく良いアルバムです。恐らく総合点でバリーの最高傑作でしょう。ポピュラー音楽のヒストリーを眺めてみて名盤は山とあれどアルバム全部が良い曲で詰まっているという作品はかなり少ないと思います。(例えば、C・キングの「つづれおり」とか..沢山は挙げることが出来ない!)このアルバムはその数少ない例に属する高水準のアルバムだとLPの時代からずっと思ってます。全体的にバラード中心で秋の爽やか、でもちょっと物悲しい空気感が漂う音のアルバムでそんな時期に聞くとぴったりだと思います。 このCDは96年にリマスターされたもので以前のCDと比べるとノイズが減少かつ音質は滑らかで文句無し。ボーナス曲は特筆する程ではなかったので、「コパカバーナ」から「サンライズ」までのオリジナル部分をお楽しみください。多くのドラマッチックなバラードタイプのヒット曲は他の作曲家の作品というのが意外に多いバリーですが、「忘れえぬ面影(Even Now)」は珍しくバリー自身のペンによるバリーらしい壮大なバラードで最後の転調部分は何度聞いてもグっときます。70年代最高に乗っていた時期のバリーのマスターピース、未だの方は是非聞いてみてください。そして、何故か数枚未だ新しくリマスターされていない他の作品(特に80年の「Barry」)の再発につなげましょう。ちなみに収録されている「コパカバーナ」はシングルバージョンですが、LPで聞き慣れたアルバムバージョンは何処へいったのかな...。
これぞ名作
★★★★★
全米第三位となったこのアルバムは、バリーの代表作と言って良いでしょう。運悪く当時チャート1位は「サタディ・ナイト・フィーバー」2位がクラプトンの「スロー・ハンド」だったので、3位に甘んじることにはなったけれど、グラミー賞"Album Of The Year"ノミネートなど、まさに1978年アメリカ音楽界を代表するアルバムの1枚と言って間違いなし。収録曲"Copacabana"でグラミー賞受賞しました。
Carpentersとの競作"Where Do I Go From Here"など聞き所満載です。