今を生きる全ての人のために
★★★★☆
カトリック教会のカテキズムこの本(規範版)の作成は、1993年に教皇(当時)ヨハネ・パウロ2世が設置した教皇庁諸省の要員から成る委員会が作業を担当した。その委員会の委員長はヨセフ・ラッティンガー枢機卿(当時・現教皇ヴェネディクト16世)が務めた。
本書の目的は、カトリックの教え全般についての正当な説明を行うことによって、教会が何を宣言し、どのような祭儀を執り行い、どのような生き方をし、日々どのような生活方針をもって祈るべきかをすべての人に知らせること(「大きな喜びをもって」本文 viiiから)にあります。
クレド、使徒信教(信ずべきこと)、主の祈り(望むべきこと)、十戒(なすべきこと)、秘跡(以上全ての生きる場)という基本的4本の柱、キリスト者の生活の土台、教会の教えの総合について余すことなく、詳細に述べられている。招命の段階を問わず、第一に当たる一次資料のひとつとして枢要な本であることは間違いない。
カテキズムも、教会法も、頼るべき霊的指導者に欠ける中で苦しまれているプロテンタストの諸兄弟にも同様に参照にしていただいても霊的に有益である。
さらに日本においては、補完的な資料として検索用のデータベースなどが協議会によって世に出されていくならばなおよいだろう。今後の活用発展に期待する。