ストーンズが初めて自らのアイデンティティを確立したといえる、68年発表の重要作にして大傑作。アルバム全体をブルージーな空気が漂う。聴けば聴くほど深くしみこむような魔性の魅力を備えた作品だ。
全編をとおして充実の楽曲で埋め尽くされているが、なかでも<1>は、ニッキー・ホプキンスによるリズミカルなピアノと、アフリカ・ヴードゥー的なパーカッション、風変わりなコーラスや黙々と突き進むベース、それにまさしく悪魔的なミックのヴォーカルが独自の雰囲気を醸しだす名曲。また<6>も、時代の空気を封印した記念碑的な曲である。(麻路 稔)
...and the guitar players look damaged
★★★★★
7「Prodigal Son」のカバー以外はミックとキースの共作が9曲で全10曲。何故だか定期的に聴きたくなるアルバムです。この「ベガーズ・バンケット」からの4枚がストーンズの絶頂期みたいなことを読み聞きしますが、う〜ん納得!なノリがこの4枚にはあります。その中でも極めて傑出な1枚と思います。
1「悪魔を憐れむ歌」この曲は、面倒でも辞書を引くか訳詞を読むかすると尚凄さが増します。この頃のストーンズは歌詞も面白い。全曲名曲。隙がありません。8「stray cat blues」や9「factory girl」なんて二十代の若者が出せる雰囲気じゃないと思います。昔の若者は心骨が違うのでしょうか。8、9、10はカバー曲だとずっと勘違いしていました。それだけベガーズ・バンケットには本物の“雰囲気”があります。なんと書けばいいのか。初期から順にアルバムを聴いて行くとこのアルバム辺りで確実に何かをストーンズは掴み取っています。それがソウルなのかブルーズなのか判りませんが後の「レット・イット・ブリード」にも「メインストリートのならず者」にも無い何かがこのアルバムにはあります。明らかにどっかの十字路で悪魔と取引しています!おそらくキースとブライアンあたりが!(笑)
5「jig-saw puzzle」は、6人目のストーンズことイアン・スチュワートの跳ねるピアノ!とブライアンの煽るような!スライドギター、歌詞の雰囲気そのままミックのダルそうなボーカルとビルのベース、キースのキレのあるカッティングが底知れないグルーヴを生み出す大好きな曲です。 10「地の塩」のイントロ、キースの歌声が渋い!善とも悪とも取れない立場からの内容の歌詞。ニッキー・ホプキンスのピアノも最高にカッコイイです。
こちらの盤は、アクゥースティックとブルーズの迫力にストーンズが最も接近した時の記録とおもいます。私はこれがデルタブルーズに興味を持つきっかけになりました。幸運にもまだ聴いていない、ボニーとクライドの皆様に御案内申し上げます。 R.S.V.P.
ブルースラブを感じよう
★★★★★
ストーンズのアルバムの中でも、1,2を争う傑作。
ストーンズらしいブルースナンバーでまとめている。68年の作品。
アルバムを通して一貫性があり、何度聴いても飽きない。
どのアルバムを聴くのか迷ったら、これは必ず聴いて欲しいです。
オープニングの『SYMPATHY FOR THE DEVIL』からどっぷり浸かれます。
落書きジャケットも味があるデザインだ。
今ならわかるこの凄さ
★★★★★
ベスト盤からストーンズを聴きはじめて、ベスト盤の次に初めて買ったストーンズのオリジナル・アルバムが本作でした。
CDショップの手書きポップに“名盤100選に必ずと言っていいほど選ばれる”といったことが書いてあったので、本作を買ったのを覚えています。その時は、あまり情報を仕入れておらず「ブラウン・シュガー」のようなイケイケの曲を期待していたので、カントリーやブルースの色が濃い本作を最初に聴いたときは“あれ?”と思い、いまいち好きにはなれませんでした。
ザ・バンドやバーズなどを聴くようになってから改めて本作を聴いてみると、「ノー・エクスペクテーションズ」や「ファクトリー・ガール」など名曲が多いことに気付きます。今でもライヴで定番曲となっている、パーカッションとキースのギターソロが光る「悪魔を憐れむ歌」はもちろん名曲だし、「ストリート・ファイティング・マン」はエレキ・ギターを使っていないとは思えないほどエネルギッシュなロック・ナンバーです。
ファンとして見逃せないのが、隠れた名曲「地の塩」です。キースのボーカルから始まるこの曲はスライド・ギターを弾くブライアン・ジョーンズの最後にして最高の名演が聴けます。『レット・イット・ブリード』の「無情の世界」のようなドラマティックな展開は感動的で、ブライアンの有終の美を飾る名曲です。
このアルバムから70年代半ばまでの数年間はストーンズの黄金期と呼ばれます。その期間のアルバムはどれも完成度が高く、どれも必聴盤です。デビューしたての頃のような若さでも、70年代以降のアリーナ・バンドでもない、本作は彼らが音楽と真摯に向き合った結果生まれた渋い名盤です。このアルバムと続く『レット・イット・ブリード』でスタイルを完成させた彼らは、今日も続く偉大なロック・バンドとして君臨しています。
ビートルズにも影響を与えた!!w
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いつもビートルズを気にして生きてきた(というか宿命づけられていた)ストーンズが、この作品から立場が逆転、ビートルズに影響を与えちゃうw
いまツイてないなあ、とか、頑張ってんだけどスランプなんだよ、って状況の人には、ぜひ聞いてほしい!ドン底の状況にまで落ちたストーンズがどうやって這上がって来たかを、このアルバムで聞いて参考にしてほしい!
長寿バンドとか言われてるストーンズも、このアルバムが出来るまで不安で一杯だった、そしてこの作品は聞いたらわかるように、何も飾り気のないサウンドで、『努力してたけど、どうにもならないんだよ!!』って、悪魔にでも魂売ろうかな、って開き直ったら突然…奇跡の光が差してきた!そういうの。
『周囲の雑音なんか気にするな』みたいな。世の中には悪魔もいればゴミみたいな人もいる、でもみんなが現実に存在して今を生きてんだ、みたいな。例えば、ジョンレノンのイマジンの綺麗で理想ばかり描いたメッセージと比べてみると、ストーンズがリアルな音楽やって来たのが伝わって来るでしょうね。
やはりかっこいい!
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購入当初(16歳頃)は、「悪魔を憐れむ歌」、「ストリート・ファイティングマン」くらいしかピンと来なかった。
やがて聞き込むほどに、このアルバムの凄さが分かった。
あとで好きになったのが、「放蕩息子」、「ストレイキャッツ・ブルース」。
私はキースの大ファンなので、特にシンプル・カントリー調の「放蕩息子」でのギター・ワークが大好きだ。素朴かつ力強いギターはたまらないほど良い。
今30代半ばで聞いても、血が騒ぐこのアルバムは紛れもない傑作だ。