レプタイル
価格: ¥2,520
エリック・クラプトンによると、爬虫類というのは、地元の居酒屋で一緒に一杯やろうか、ていうようなヤツのことらしい。14曲入ったコレクションのタイトルはなかなか妙を得ている。店に入ってきた酒場の常連の注意を引くほどでもないが、店を出たいと思わせることもない、そんな感じだ。2000年に発表した『Riding with the King』(勿論 B.B. Kingを除いてだが)とほとんど同じメンバーで作られたこのアルバムは、クラプトンがその輝かしい過去において身につけてきたスタイルの総集編のようなものだ。彼の音楽には常にブルースがバックボーンとして存在したが、ウォルター・デイビスの「Come Back Baby」ではそれが明白。J.J.ケイルの繊細でメロウな曲を模倣し、「Cocaine」「After Midnight」などヒットを生み出した。ここではケイルの「Travelin' Light」を気取らない落ち着きをもって蘇らせている。アルバムはインストルメンタルなサンバで始まってライトロックへと続き、オリジナルとカヴァー曲を織り交ぜて進む。後半はスティービー・ワンダーの「I Ain't Gonna Stand for It」やジェイムス・テイラーの「Don't Let Me Be Lonely Tonight」などが収録されている。この爬虫類の正体はカメレオンだったというわけだ。