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キーチVS 1 (ビッグコミックス)

価格: ¥540
カテゴリ: コミック
ブランド: 小学館
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ヒール・ザ・ワールド ★★★★★
すげぇ、すげぇよ。
かなり大雑把に言えば、「20世紀少年」と「ブラックジャックによろしく!」を合わせたような作品。
ヒーローものだけど、現実から逃げていない。今あるクソったれな現実社会を丁寧に描いていて、「無関心は罪だぞ!」と、問題提起する。現実逃避してノスタルジーに浸る漫画とは違い、まさに現代を描く。介護疲れによる心中、未熟な親による幼児虐待、内部告発者に対する業界の制裁など、全て現実に起こっていることを真正面から解決しようとする。年金制度、介護保険、雇用保険、生活保護制度なども、ちゃんと取り上げ、制度はあるけど、ちゃんと機能していなかったり不十分だったり問題アリアリだぞ!と糾弾。
つまり、政治家も行政も、当てにならない。真っ当な人を殺す社会、それでも、作者は「真っ当でいろ!」と言う。なぜか?...俺もよくわかんねぇ。とにかく読んでくれ!
拳の落としどころ ★★★★☆
拳を振り上げたくなる現実はある。しかしどこに拳を振り下ろせばいいのか。それを果たして、このマンガの主人公のキーチには見出だせるのだろうか。大体果たして拳を振り下ろすべき「敵」がどこかにいると、本当に言えるのだろうか。そんなことが気になった。そういう意味で、このマンガが作品として、難しい問題に突っ込んでいこうとしているのはわかる。
ショック ★★★★★
とまずはカバーの帯、
「書店の方へ。この本にはビニールを被せないで下さい。」
嗚呼、マジなんだこの人。鳥肌が立った。

認知症の母と、息子のストーリーが前半で出てくるが、実に残酷を極める。ストーリーを組み上げる時、主張したいテーゼに背反し感情移入の妨げとなるものをある程度排除していくのが定石であり、山場への近道だと思うが、この人の場合、ただただマイノリティの現実を描ききることに全く容赦しないのだ。言い換えると「キーチ」には事実上、山場というものが存在しないのかもしれない。現実とは山場の連続なのだから。そしてそれは結果的に、暴力的なまでのメッセージの連続と血生臭さを放っている。このクオリティで、まさに世の中の最下層や掃き溜めにある超現実を、誰が描けただろう。これを描く時、新井英樹はどれだけの暗澹や苦痛、そして葛藤に堪えているのだろう。いつも思う。

頑張ってほしい。