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彩りのころ 1 (YOU漫画文庫)

価格: ¥630
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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望まない妊娠の末に出産。でも赤ちゃんは可愛い・・・。子供が切り捨てられたような展開は残念。 ★★★★☆
古い作品だが、連載当時の時代を考えたら結構「衝撃的な展開」であったのではないかと思われる。

主人公の女子高生には両想いの彼氏がすでにいる。
けれど、その彼氏のお父さんが再婚して義母になった女性の年の離れた弟(つまり彼氏の義理の叔父だが、実は義母が中学生の頃にレイプされて生んだ実子で、彼氏の義兄弟になる)が母である女性の再婚に伴い引き取られ、同級生として少女と同じ学校に転校してきたことから運命は暗転する。

自分がレイプの末に生まれた子と知っている男は、愛に飢えた末に無邪気な親切を振りまく少女を強姦。
処女を奪われた少女は、さらに妊娠してしまう。彼氏との幸せな結婚も夢破れた少女は、かといって自身に宿った命を殺してしまうことも出来ず、1人で子供を生む決心をする・・・。

とにかく、トコトン暗い展開。自分の愛した女性が強姦の末に自分以外の子供を身篭ってしまったとき、変わらずに彼女を愛せるかという「果てしなく重い問題」がのしかかってくる。

少女は男の子を出産するも、赤ちゃんは死んでしまったのが残念。
せっかく彼氏は生まれてくる子供も含めて彼女を愛そうと決意していたというのに・・・・。
これじゃ、赤ちゃんが「邪魔な存在」として都合よく排除されてしまったような印象になってしまう。
愛と命を見事に描いた名作 ★★★★★
杉浦葵と新藤宗次郎は、気心の知れた幼なじみ。お互いに想い合っているのだが、なかなか告白できずに悩んでいる。そんなある日、2人の前に朝比奈拓也という少年が現れる。拓也は、宗次郎の義母の弟で、母親が死んだために姉を頼って上京してきたのだ。宗次郎は同い年の拓也に明るく接するが、拓也はそんな宗次郎の屈託のない明るさに羨望と嫉妬を抱く。・・・

ドラマ『この子誰の子』の原作です。最初はほのぼのとした学園ストーリーかと思いきや、だんだん昼メロのような展開になっていき、固唾を呑んで読んでしまいました。メインである葵、宗次郎、拓也の心情があますことなく描かれていて、3人の感情が苦しいくらいに伝わってきます。愛や命が正面からとらえられていて、見事に描かれている作品です。あまりの厳しいストーリーの展開に読んでいて切なくなるけれど、おすすめです。