インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

ジンメル・つながりの哲学 (NHKブックス)

価格: ¥1,019
カテゴリ: 単行本
ブランド: NHK出版
Amazon.co.jpで確認
ジンメルから学ぶ「人と人、人と社会とのつながり」 ★★★★★
 読み始めると、個人と社会との関係を扱った内容であることが分かる。当時の社会学が国家や組織、団体といった大きな「かたまり」としての社会を研究の対象にしていたのに対して、ジンメルはそれらを成り立たせている相互作用の過程を捉えようとする「相互作用論的社会観」を提示したのである。
 
 とりわけ興味深かったのが、「秘密」を扱った箇所である(本書125‐154頁)。筆者は、自分と相手との距離が「ゼロ」(自分という存在が他者に完全に理解され、自分も相手を理解していること)ではなく、「適度な距離」を作り出すことが大切であるとしている。そこで、ジンメルの「秘密」をもつ・もたれる事態を手掛かりに、その「距離」の問題を考えようとする。

 まず、「秘密」とは、「コミュニケーションの遮断や拒絶を意味するのではなく、円滑なコミュニケーションもしくは適度な距離にもとづく相互理解には不可欠な社会的形式なのだ」(130頁)というところから始める。私たちは普通「秘密」をもつことが相手とのコミュニケーションを拒絶するものであると思ってしまうものだが、著者は他者を知ること・理解することが「制限と歪曲」を帯びてしまうことを指摘しつつ、「距離」とは隔たりであると同時に接近の可能性をもつからこそ関係が形成されているとする(131頁)。親しい友人から自分は理解され、かつ自分も相手のことを知っているという「思い込み」をもつことで、逆に両者の関係がうまくいかないことが多々ある。相手と関係をもつ際に彼への理解は一側面に限られ、「おそらく・・・であろう」というイメージでとらえていること。それを踏まえた上で、理解には制限があることをお互いに十分認識しつつ、自分は相手の人格の全体性を尊重し、相手にもそれを求める「配慮」が必要であることも述べている。よって、両者による完全な相互理解は不可能であることを認識しながら相手を「配慮」することで関係を構築する必要があると思った。
ダメ、絶対 ★☆☆☆☆
漠然とし過ぎていてなにも伝わってきませんでした。
暇つぶしにはなりますね。
残念な一冊です。
良書である。 ★★★★☆
現代の人間関係の希薄化から起こる問題をジンメル研究者の視点から説いている。まず、非常に整理されていて読みやすい。というのも、ジンメルは難解だが、著者の何とか今の時代に役に立つようにとの情熱が一つの意志となりここまでわかりやすくなっているのではないかと思われる。その意味で著者の熱意も伝わってくる本である。
 最後に著者は未だ自我を獲得できずにいる若者に向けて、伝えるための建設的な努力からちいさな喜びを糧にがんばりないさい。というような事を言っておられます。その意味で本書は若者に向けた実践的努力への人生指南書といった色合いが濃く、とくに現代の若者は呼んで損のない内容だと思いました。ジンメルを学びたいかどうかはどちらかというと二の次的な感じがしました。
社会学からの「ほんとうの私」 ★★★★★
「社会学」(ジンメル)を読む前の序論的な本で、読みやすい。
また、同時代のヴェーバー、デュルケーム、ミードの話も出てくるので、社会学の入門書としてもお勧めである。また、そのことが社会学への関心をより一層深めることができる。
さらに、面白いのは、役割としての自分と個人(個性)としての自分のギャップについても書かれており、心理学の視点とは別の視点から「ほんとうの私」を考えることは、社会生活を営むということは、どういうことなのかをも包含する考え方でもあり、一つの生きる知恵を与えられたようなき持ちになる。
手ごろな大きさ、ページ数もお勧めである。
自分の生き方の了解プロセスに深く関係させながらジンメルを紹介している労作 ★★★★☆
 社会学者ジンメルの考え方を、自分の生き方の了解プロセスに深く関係させながら紹介している労作。1858年生まれのジンメルはウエーバーと同時代の生の哲学者でもあった人。
 社会を個人の心(主観性)と社会のつながりの中で捉える視点には説得性がある。しかし、そこに”学”とつくと客観性が必要となるが、ジンメルはそれを支える基本概念を提出しているとのこと。その代表的なものを挙げると、「社会的相互作用」、「橋と扉」、「前提としての大衆の成立」、「SachlichとPersolich」、「実存を支える社会」、「信頼の定義」、「秘密の定義」、「社会的分化」、「貨幣の定義」などなど。
 それらの内容についてはあらかたこの本で紹介されているが、それにより社会の現象をどのように説明し、予測し、それが的を射たものであったかについては、ジンメルの本を読み、歴史的考察と現代の状況解析を自ら行うことによってしか得られないのだろう。