今後に期待
★★★★☆
アフォーダンスとは生態心理学の一領域であり、プロダクトデザイナーの深澤直人などがデザインにその理論を取り入れたことで広く知られるようになった。アフォーダンス理論は、英語の「Afford」(与える・提供する)がもとになっていることが示すように、ある物や環境が人の行為に意味を与え、行為を導くというような考え方をする。つまり動物は(植物も)脳のもたらす反射や情報処理のシステム、または遺伝のようなパターンによっていわば機械的に行為するのではなく、行為を提供するさまざまな資源のもとで多様な行為をする、ということだ(と思う)。例えば、平坦で広くて硬い「地面」は立って歩くことをアフォードする。この場合「地面」すなわち「土」や「岩」が、動物にとっては身体を「支持する」、あるいは「移動する」ためのアフォーダンスとなる。著者も書いているが、アフォーダンスを理解するのも理解させるのも非常に難しいようだ。自分自身少しはわかった気になってはいるが、果たしてどうか。とにかくまだ発展途上の学問でしっかりと理論化されていないようだが、常識と違った角度から世界のあり方を考えることができて面白い。
ダーウィンってすごい(そしてミミズも)
★★★★★
アフォーダンスの入門書としては全く役に立ちませんが(だって元々違うタイトルの本です。)知的興奮を覚える、文句なくおもしろい本です。ミミズを見る目が変わりました。「進化」という言葉が嫌いでダーウィンは読んでいなかったのですが、彼自身も「進化」という言葉を使うことをはばかっていたことを知り、印象が変わりました。ダーウィン入門としてオススメ。
アフォーダンス入門には
「デザインの生態学―新しいデザインの教科書」
をどうぞ。
知性のあり方の再考と観察の重要性を感じました
★★★★★
以前「知性はどこに生まれるか―ダーウィンとアフォーダンス 」として、講談社現代新書から発売されていた本のリバイバルのようです。知性はどこに生まれるか―ダーウィンとアフォーダンス (講談社現代新書JEUNESSE)
私たちが「知性」とよんでいるもの、に対して再考察を迫られる本でした。
テーマは新しい世界の見方を提示するほどの大きなものなのですが、事例を中心に平易な文章でわかりやすく書いてありました。
どうして駅の階段や壁には、黒い線のような跡がついているのか。なぜ植物の根は回転しているのか。これらの「意味」を示しながら、「環境が動物に提供するもの、用意したり備えたりする」アフォーダンスの意味を、丁寧に解説していました。
生態心理学や、環境デザインに興味のある人、人に限らず、様々な動物や植物を観察するのが好きな人には、お勧めの本です。
話題が飛びすぎ
★★☆☆☆
著者は事例を出しているつもりなんだろうが、話が飛びすぎて何が言いたいのかわからない。