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心の影〈2〉意識をめぐる未知の科学を探る

価格: ¥4,095
カテゴリ: 単行本
ブランド: みすず書房
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下巻への展開が楽しみになる一冊 ★★★★★
 「皇帝の新しい心」に続く内容であると著者は冒頭で紹介しているが、前作とはまた違った観点で書かれた著作であると思ったほうが良いだろう。
 「皇帝の新しい心」でも特徴的だった、ペンローズ独自の数学的手法をフルに生かした理論展開は本書でも遺憾なく発揮されている。特に本著では、心を考える上での道具としてではなく、数学そのものを主題とした議論展開がなされている。上巻では、ゲーデル論理学の考察を主軸に、人間の知りうる(あるいはこれから発見するであろう)数学的なアルゴリズムがたとえすべて判明し、それをロボットにインプットして数学的考察を行わせたとしても、議論上矛盾が生じることから、人の(数学的)理解力は計算的メカニズムに還元することは不可能だ、という議論展開がなされる。結論から言うと、著者ペンローズは人間の理解力には、いかなる計算的手段によってもシュミレートできないものが存在する、と主張する。
 とはいえ著者は神秘論者ではないし、単にそれ以上のものがあるといっているに過ぎない。この話を軸にして、下巻ではいよいよ心についての考察となっていく。
 数式は一切出てこない(出ても数式というほどのものではない)が、論理学を主軸とした論理展開であるため、非常に難しい内容になっている。一度だけでなく、何回も行きつ戻りつして著者の言わんとしていることを汲み取る楽しみ方も出来ると思う。
ペンローズの待望の新作 ★★★★★
、近々日本から田中さんについでノーベル物理学賞を学受賞するはずの研研究者がこの本の解説を「数理科学」と言う専門誌に書いて、籍を置いているノートルダム大の「冶部真理さん及び高橋庚先生に違いないだろう」と言われている。両者とも日本の誇るべき量子物理学者、京大の梅沢博臣先生に連なるいわゆる弟子である。この両者が受賞すれば量子脳理論における梅沢理論の功績が認められることになるし、当然と言えば当然だが、むしろ私は一企業の研究者として知った「梅沢理論が他の大学の研究者(九大高尾さん、北大水野さんなど)にも伝わり、受け継がれて発展している」例を現実に見ていて喜ばしいのだ。そしてここでさらにこの「ペンローズの新作」の解説を冶部さんが書いていることを知り、喜ばしい方向へ向いていることを知って個人的にもうれしかった。
相対論足す量子論は心の科学か ★★☆☆☆
初め原書で読んだ。神経細胞の微小官における量子重力効果が意識であるとあった。 ペンローズは現在物理的世界の基盤となる相対論と量子論を結合した量子重力論が心を説明するという。それは彼のツイスター理論なのだが、この書は基礎的な説明が豊富で肝心のツイスター理論には触れてない。私は専門家でないので、「新たな幾何学を必要とする」ツイスター理論まで到達できない。ここで私は引き返すことになる。
意識の物理学の基礎となるか? ★★★★★
知的満足をこれ以上得られる本はないと申し上げて過言ではありません。

上巻で論理数学をカバーした著者が、下巻では物理学に舞台を移し、量子力学に関する有名なパラドックスを切り口として、魅力ある議論を展開します。著者はパラドックスを2つに分類します。「EPRパラドックス」はZミステリーと呼び、確立された事実として受け入れますが、「シュレーディンガーの猫」はXミステリーとして、断固受け入れません。ここからはペンローズの独壇場で、重力による状態ベクトル収縮の理論、そして微小管内の収縮と意識との関連に迫っています。このあたりは推理小説の犯人探しをしているようなスリリングな展開です(最も真犯人はまだ検挙されませんが)。

前著「皇帝の新しい心」でも感じましたが、翻訳の素晴らしさもペンローズの世界に引き込まれる大きな理由のひとつです(ペンローズが日本語で書いているような)。

ペンローズしか書けない圧倒的著作再び! ★★★★★
前著「皇帝の新しい心」の続編であり、再び圧倒的な出来ばえである。
前著は1989年の出版以来、様々な議論を呼び起こしたが、かなりの反論があったようである。著者は本書でそれらに一つ一つ丁寧に答えている。反論は徹底的であると同時に余裕を持ったもので、著者の持つ自身の考えの正当性に揺らぎは全くない。

上巻である本書では、論理数学に関する議論を内容としている。テューリングとゲーデルの定理がその中心であり、数学の思考が論理的なものではないという、前代未聞の主張に誰しもが魅了されるはずである。