2人を軸に描かれる海洋冒険小説
★★★★☆
第97回直木賞を受賞した『海狼伝』の続編。
『海狼伝』では話の軸が笛太郎のみであったが、『海王伝』では笛太郎&牛之助と話の軸が2つになる。
この両者が絡み合いながら、黄金丸は日本を飛び出す。
牛之助が醸し出す独特の雰囲気の中に見え隠れする故郷への思い。
対する笛太郎の父親への思い。
それぞれがそれぞれの思いを抱きながら、黄金丸と共に、異国の海で暴れます。
とはいっても、本来は牛之助も笛太郎も争いを好みません。
それにもかかわらず、二人は吸い寄せられるかのように、争いに巻き込まれていきます。
そして、最後には笛太郎の父親と対峙することに…
もちろん、武蔵坊弁慶を彷彿とさせる雷三郎、船のこととなると船大将にさえ逆らう小矢太等々、愛すべき登場人物達は健在です。
因みに、私は話の終わり方に続編を期待せずにはいられませんでした。
ソレデハ…
海狼伝に負けていません。
★★★★★
海狼伝に負けず、スケールの大きなスピード感のあるお話しだと思います。登場人物たちの特色が良く出ていて、面白いです。海賊達の宿命の戦いが繰り広げられ、念願だった実の父親との再会が果たされますが、その結果は…
スーパーマン船員
★★★☆☆
前作「海狼伝」は時代小説にはあまりない海洋もので大変新鮮であった。 しかしこれはそれぞれの分野で超人的とまではいかなくても素晴らしい能力を発揮する者を、"たまたま"拾って船員に加えるなど、安易な筋立てが目につくようになった。 終わり方もちょっと中途半端なのですが続きは書かれるのしょうか?