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王国への道―山田長政 (新潮文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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史実としてより、ストーリーの妙を楽しむ一冊 ★★★★☆
山田長政およびペトロ岐部についての情報が欲しくて、手にとってみた。
その限りにおいては、史実性よりも物語性を重視している本書は、ちょっと求めているものと違ったと言える(もっとも、山田長政についての資料は極めて少ないらしいが)。

だが、そのストーリーの面白さにぐいぐい引き込まれ、一気に読んでしまった。

地上の権力を求め、アユタヤで成り上がっていく山田長政と、苦労してヨーロッパに渡りながら、天上の王国を求めるべく迫害の待つ日本に戻ろうとするペトロ岐部の対比が、鮮やかに決まっている。

本書で描かれるのは、分量的には圧倒的に山田長政についてだ。
しかし、敬虔なるキリスト教徒である遠藤氏としては、山田長政という人物を通じてペトロ岐部の人物像を浮かび上がらせるのが本意だったのではないだろうか。

とはいえ、山田長政の人物描写も非常に魅力的であり、一大歴史絵巻として十分楽しめる。

何度も版を重ねているのがよくわかる名作だ。
日本人 ★★★★☆
遠藤氏の他の作品に比べ、キリスト教色が強くないので、読みやすかったのが率直な感想です。
前半の「藤蔵」と表記されている時の主人公は豪快な泥臭い男なのですが、なぜか後半にはとても繊細で臆病な人間に見える。この感情の移り変わりが読者の私には非常に不思議な感覚を覚え、思わずハマッしまいました。
私なりの解釈ですが、文庫本の裏表紙のあらすじにある「日本人とは何か〜」の答えは、武士の心や生き様などではなく、先ほど書いたような主人公の心の移り変わりに隠されているような気がします。

実際にあった話だそうですが、読み終わった後は、何やら映画を見ているような心境になっていました。実に壮大な映画でした。
主人公に魅力があり、楽しめる。 ★★★☆☆
密航でアユタヤに渡り、出世を重ねて日本兵部隊を率いて活躍した山田長政。苦労を重ねてローマで神父になったペドロ岐部。彼らが最後どうなったかは、この小説を読んで確認していただきたい。
この魅力的な2人に着目した点では、遠藤氏は優れている。ただ、何度も同じ表現があるなど、書き流した感じ。内容が重い(ペドロ岐部の部分)割に、良くも悪くもあっさり読めてしまう。
遠藤お得意の手法による作品 ★★★☆☆
「地上の王国」と「天の王国」--異なる王国にたどり着くべく奮闘する実在した二人の日本人を描いています。前者・山田長政は日本での天下取りに見切りをつけ、タイに渡り外国人傭兵として活躍、権力をつけます。後者のペドロ岐部は、自分の足で遠くローマを目指し、神父となって帰国することを目指し、二人はタイで再会。

山田のタイでの天下取り合戦を軸に、物語は展開します。このようにタイプがまったく違う2人を主人公とし、際立たせる方法は、遠藤お得意のものです(Cf.『王妃マリーアントワネット』のマルグリットとアントワネット)が、対立の図式が明らか過ぎて、人間の感情が単純化されている気がしなくもないです。

遠藤周作の秀作歴史エンタテイメント ★★★★★
タイで豪快に活躍した山田長政を描いています。 知謀・政略・謀反・暗殺・・どろどろしたアユタヤ王朝を舞台に、山田長政が大活躍します。 ゼロから力を求めてのしあがってゆく山田長政の行く末は・・・。

遠藤周作の歴史物小説は、視点が独特で楽しめるものが多いのですが、エンタテイメント作品としては、これがイチオシです。めくるめく冒険活劇の中にも、遠藤周作らしい哲学的・宗教的な問題も盛り込まれていて、単に軽いだけの小説で終わっていないところも魅力です。