丁度大学入学の年、授業とNHKテレビの番組で「パリのランデブー」が使われていました。
ドキュメントか、と見まごう作品、だけど丁寧な女の子の心の描写にはまってしまい、以降
大好きな監督になりました。

ロメール映画の大半が女の子が主人公です。また、年代も様々なため好きな作品はその時々で変わりました。
（大学時代は同年代が主人公の「レネットとミラベル４つの冒険」が。
恋人ができずに悩んでいたときはやっぱり「緑の光線」「幸せな結婚」！。）

でも、常に心に強い印象をのこしているのがこの、シュザンヌちゃんです。
これは主人公は男の子。でも、ラストの発言で「もしかすると・・」っていう語りは
「ああ！びっくり！」なんです。

あからさまにそれとわかる撮影シーンを表さずに映画全体で一人の女の子の生き方をまさに「浮き彫り」に
するロメールにやられました・・・。
こういう「行間」を表現できる映画監督ってあんまりいない。。
亡きロメールの表現のすばらしさをつくづく感じるわけです。

ロメールは獅子座で興行的に失敗した後、ほとんど自主映画と変わらない方法で映画を再び撮り始める。
16ミリでモノクロ。音はアフレコ。モンソーパン屋の女の子とシュザンヌの生き方がそれにあたるが、どちらもまさにロメールの映画と呼ぶにふさわしく、まず一見に値する。

コレクションする女の撮影はアルメンドロス。

彼に撮って始めてのカラー作品らしいが、ナチュラルライティングで、色のバランスは絶妙。
既に夕景のマジックアワーの撮影も極めていて舌をまく。
星が四つなのは、この後に出るボックスセットの事を考えたうえでの事で個人的にはものすごくうれしいセット。
今まで観たくても観れなかった作品が入っているので。