日露戦争不正確な著書
★☆☆☆☆
正直基本的な誤りが多い。日露戦争のにおける旅順攻防戦において時系列が間違っている。黄海海戦は第3軍の総攻撃の前である。また、第3軍批判も誤りが多い。司馬遼太郎の作品を真に受けているようだ。児玉大将が乃木司令官から一時的に指揮権を奪い、203高地を陥落させたというのも俗説である。奉天の戦いも児玉の作戦は成功したと言い難い。結局第3軍の必死の北上により、最終局面で逆転したというのが真相だ。軍事に関しては著者は素人である。司馬史観の亜流だろう。もう少し軍事に関しよく理解してから著述するべきだろう。
坂の上の雲に便乗するかのような著書はよろしくない。真実の歴史を知るべき。著者に反省を求める。
天からの命を受けて駆けぬけた男
★★★★★
幕末から明治にかけての男たちの中には、「彼があと10年生きてくれていたら…」と、
その早すぎる死に、嘆息を禁じえない傑出した才能を持つ時代の寵児がたくさんいる。
児玉源太郎もその一人で、この本には児玉源太郎の軍人としての功績だけでなく、
バランス感覚の優れた政治家として、その辣腕ぶりが描かれている。
児玉亡き後の、太平洋戦争開戦に向けての軍部の暴走が何故おこっていったのかも、
端的ながらも要点をおさえて記されているので、歴史・道徳などの教科書にして欲しいくらいの本である。
リーダーを目指す人、既になっている人に読んで欲しい一書。
読み直そう明治の人物
★★★★☆
司馬遼太郎が書けなかった児玉源太郎を見事に書き切った著者は、郷里が児玉源太郎の故郷徳山の出身。今、読み直して現在の日本を、考える一書に。
児玉が後10年生きていたら日本の軍隊は?戦争は?現在は?と考えさせる。