地域密着戦略を実践する、末恐ろしい青年の経営指南書
★★★★★
私は20歳を過ぎたら、老若あれど全て大人だと考えている。介護の仕事を通じての戸惑いの克己が、
この境地にたどり着かせてくれた。
そんな私だったが、まだ心のどこかで年下には負けたくないと言う気持ちは強かったようだ。本書の
著者がまだ三十路そこそこの方であると知った時、信じられなかった。理論も実践もハートも。はるか
に自分を凌駕している。THINKERではない。DOERである。
本書は、地域密着ビジネスの実践にむけて、実体験と豊富なビジネススキルをベースに指導してくれて
いる。内容は、誠実かつ重厚である。実体験に基づいており、説得力も十分だ。栢野克己さんの『小さな
会社☆儲けのルール』もあわせて読むと、理解深化のシナジーが起きるでしょう。
お客さまの「人生の登場人物」になれ!
★★★★★
一地域に根ざした植物のような中小企業には、
地域で稼げなくなったら他に移る大企業のような
動物じみたことをしてはいけない。
逆に、顔の見えるお客さまの「人生の登場人物」
になって、地域シェア100%を目指すべきだと
本書は主張します。
それが「超地域密着マーケティング」。本書を元に
「そもそも自分が何屋であるか」と、顔の見える
お客さまのことをとことん考えましょう!
前半だけは面白い!
★★★☆☆
この本は大きく分けて、前半と後半でテイストがかなり異なる。
120〜130ページくらいまではグイグイ来る感じがあるのに、そこ以降は急にパワーダウンして退屈な内容になっている。
本の真ん中ぐらいまでは、地域密着ビジネスで得た実体験やノウハウをもとにした具体的な話が多く、とても参考になる。ただ厳しいことを言えば、名著と言われるビジネス本などのエッセンスを寄せ集めた感はある。しかし、それら机上の論理だけでなく、ユニークな実体験を絡めて書いているので、これはこれで貴重な内容である。
ところが、途中からだんだん抽象的で精神論めいた話の割合が多くなってくる。
本書の後半はほとんど精神論で、しまいには仏教がどうのとか般若心経がどうのとか言う話まで出てくる。仏教だの何だのというワードは、ある一つのエピソードを紹介するために出てくるだけで、別に宗教論などをぶっているわけではない。だが、著者のそうした精神的バックグラウンドが本書の後半部全体ににじみ出ていると感じられるのもまた事実。簡単に言うと、「説教臭い」のである。
というわけで本書を読む場合は、前半のみ熟読し、後半はザッと斜め読みでいいかもしれない。
もう少し推敲が必要かもしれないと思った
★★★☆☆
著者同様、“生まれ育ったやや田舎”で事業をしています。
各所に、共感できることがありました。それは確かです。反面、単に体験の羅列にとどまっているのでは、という感覚も覚えながらの全編(特に中盤以降は)だったことが、星二つ減の理由です。
重複しますが、著者の考え方そのものには共感します。それらをないがしろにする方々なり風潮には、はなはだ辟易していますので。
ただ、貴重な実体験に基づいた経験則を、もうすこし昇華させてからの出版でもよかったのでないか、と感じます。悪い本ではないと思いますが、読み終わって最初に思ったのは、「定価で買わずよかったかも(今回、マーケットプレイスでした)」という、内容に関することではなかったことを補足します。
ひとつひとつのエッセンスが素晴らしかったと思えただけに、不思議な感覚でしたが、それゆえ、仮にもう少し昇華できた続編が出るのならば、読んでみたいと思いました。
地域社会と都会的思考、あるいは商いと経営のギャップの吸収に悩んでいる、そこを考えたいと思っている方になら、サブ書籍としては、むしろおすすめします。
コンサルタントではなく、経営者だからこその説得力
★★★★★
マーケティングの本は世に数多くあります。中には良書もありますが、
コンサルタントが著書をもつことで、営業力の強化を図っているような
程度のものも多いです。
この筆者は様々なマーケティング手法を学び実践し、自らの事業を成功
させています。
成功者が語る内容は説得力があります。綺麗事だけではなく、イレギュラー
な出来事に対しどのような心構えで臨んだか。生きる姿勢とも言うべき内容
が熱く語られています。
昨今巷で氾濫している、誰でもできる!的なマーケティングノウハウ本に
辟易とされている方にはオススメの一冊です。