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イスラームの日常世界 (岩波新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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内容がホント活き活きしてる ★★★★★
 イスラームという宗教=生活様式が実際にはどのように生きられているのかを説く新書。思想書などで説かれているイスラームの教えが具体的に見えてくるのがいい。イバーダートの五つの柱については一つ一つ対応する暮らしのありかたを示してくれるし、イスラーム社会を性弱説に基づいているとしてみてみるのも、なるほどと思った。

 また、こうした異文化フィールドワークものを読んでみることの楽しみは、ここの内容から自分たちの生きている社会の前提を考えてみるということにあると思うし、著者の眼目もそこにあると思うので、イスラームの抱える問題を知りたい人には他の著書がお勧めだし、そうした著書とこの著書を併せて読んでいくのがいいのだと思う。

 書き方はまるでブッキッシュではないが、内容はハードな思想書としっかり符合している新書。
イスラームの日常 ★★★★☆
書名通り、イスラームの日常世界について詳しく書かれています。
イスラームの世界では、宗教がほどよい感じに日常生活に影響を及ぼしているようです。
いわゆる「イスラーム教(ちなみにイスラームという言葉自体に教えという意味が含まれているので、イスラーム教という言い方は正しくはないそうです)」についてではなく、その宗教の下で人々がどんな生活をしているのかについて知りたい人にオススメです。

しかし本書にはイスラームの日常世界の「負の側面」がほとんど書かれていません。
イスラームの人々に日々生じる「困難」についても知りたかったなというのが正直な感想ですね。
具体的なイメージを持って読めました。 ★★★★★
イスラム社会が少し身近になった気がします。それにしても、著者はなぜムスリムにならず、異教徒のままなのか不思議に思いました。もしかするとクリスチャンなのかもしれません。

いろいろな女性の描写がありましたが、その多くはイスラム圏の社会のほんの上澄みの人たちで、例外的な金持ちの娘や奥さん。だからこそ300キロも車を飛ばして医者に通ったり、何度も結婚、離婚ができるのです。「これがイスラム文化。それがイスラム社会では普通」と誤解するような余地を残さず、ちゃんとお金の恩恵による、お金持ちの例、ということを書いてほしかったです。

また、国名や地域名がはっきりしないところが多かったように思います。

でも、全体としてはいい本です。

多くの読者に新たな視点を提示するだろう ★★★★☆
宗教至上主義や女性差別など、否定的なイメージで日本に伝えられがちなイスラムの社会や文化について、イスラム側の解釈(だと筆者が解釈したもの)が筆者の体験を踏まえて具体的に示されている。たしかに、「ブラックは美しい、という言葉通りの感じ」という表現に極まれる叙情的な記述が鼻につくところはある。しかし本書を読んで一方的にイスラムを礼賛し西洋を否定するようになる読者がいるとすれば、それはよほど単一の視点からしかものを考えることのできない人、あるいはそういう思考様式しか想像できない人だろう。巻末近くで筆者が述べている「ひとまず、むこうの側に立ってみる。それは言葉でいうほど安易ではない」ということは、十分本書から伝わってくる。
西洋を斬り捨て、イスラムを一方的・一面的に礼賛する護教論の典型 ★★☆☆☆
一般的に日本のイスラム関係の著書は、イスラム世界を無条件に礼賛し、返す刀で非イスラム世界を斬ると言う類が殆どです。この本はその愚本の典型。この手の護教論者は往々にして、「異なる価値観を認め、対話と共存の道を」などとお題目のように唱えます。しかし、イスラム世界を普遍的と決め付けて、非イスラム世界のみを一方的にあげつらうやり方は「対話」ではなく、反発や亀裂を呼び起こすものでしかありません。
護教論者に共通する「反西洋」姿勢は、本書でも終始貫かれています。弱者切捨てやら自然破壊やらと西洋を侮辱する一方、イスラム世界を自然や弱者に優しい社会と礼賛する。批判される諸問題は、全て欧米の偏見と切り捨てる。女性に関する記述は詭弁の典型ですが、イスラム世界停滞の主要因として、女性の社会進出の遅れと識字率の低さが指摘され続けているのは紛れもない事実です。名誉殺人で犠牲になる年間数千人のムスリム女性のことも、当然本書では記されません。少数派の差別も、「区別」などと強弁する。イランが心のたっぷりある社会などというのはお笑いです。著者がインタビューした女性は、宗教省の役人。このような人物の話を元に多文化社会云々と唱える姿勢は、研究者として不誠実極まりない。著者は冒頭で客観的姿勢を放棄しているので、偏った思い入れが延々続くのは無理ないですが、共産圏を礼賛した進歩的文化人同様、予め客観性を放棄すれば、事実の歪曲や一面的な解釈がいくらでも可能になるようです。
と言う訳で本書の内容は護教論の域を少しも抜け出ず、終始極めて雑ですが、断食や祈りの記述の一部は、在日ムスリムと交流する際に僅かながら参考になったので、その点のみ評価します。ただ重要なのは、他者に寛容になり、異なる文化や価値観を尊重すべきなのが、私たち非イスラム側の人間だけなのかと言うことなのですが。