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イスラームとは何か〜その宗教・社会・文化 (講談社現代新書)

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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イスラムについての基礎知識本 ★★★★☆
対面取材をする外人記者から必ず賛嘆の念を引き出し、かつてソ連をアフガニスタンから追い払い、そのうち米国をも追い出すであろうムジャヒディーン(イスラム戦士)の強さの秘密を垣間見たくて本書を手にしたのですが、目的は果たせませんでした。著者さんはイスラムから「狂」の匂いを消した記述を目指しています。「狂」がなければ宗教ではないのですが。しかし最後まで読めたのだから個人的には満足です(イスラムについての解説本を読み出して読了出来たためしがいままでないので)。説明の簡潔さといいページ数の少なさといい、初心者に優しい本です。蛇足ですが、一夫多妻制の説明には納得がいくものの、老年で十歳女児と結婚するムハマンドを指して「才知に魅せられたのだろう」とするのはちょっと苦しいぞと感じたのは私だけでせうか。
半ばでイスラム法の基盤であるマホメット言行録(ハーディーズ)について長い章があり、個人的にはやや眠くなりましたが、近代に入ると覚醒します。ケマル・アタチュルクの世俗主義がイスラム世界全体に与えた精神的な衝撃など、初めて得たパースペクティブでした。個人的には、近代パラダイムなるものへのアンチテーゼとしてのイスラムに興味があったのですが、著者さんの独自の洞察などは見受けられず残念。初心者向けの本だし、それは望蜀の嘆か。解説本としては優れモノだと思います。
とりあえず知っておくべきだろう ★★★★☆
 冷静に考えてみれば9・11から既に6年が経過したこの世界。キリスト教対イスラーム
などという構図で語ることをやめたからなのか、それとも中東熱が多少冷めたからなのか、
最近メディアではイスラームが以前ほどには語られなくなった感のある今日この頃、
無論、イラクといい、パキスタンといい、そんなわけはないのだけれど。

 いずれにせよ、たとえそんな文脈がなかろうとも「アラーの神」とは無知の極み。世界三大
宗教のひとつであるこのイスラームの基礎知識は必須のものとして押さえておくべき。
 ただ単に、1日5回のマッカへの礼拝や、ラマダーンの断食といった、いかにも儀式ばった
習癖ばかりがイスラームなのではない。何気ない生活の微に入り細に入り彼らを統御する
見えざる糸、彼らの生のありとあらゆる瞬間が彼らにとってはイスラームなのだ。
 個人的なことではあるが、家の程近くにモスクがあったりもして、実は日本でもムスリムの
生活が驚くほど身近に入り込んでいることを実感させられる。

 もちろん、思想面においてもこのイスラーム、目を瞠るばかりの高度な英知を蓄えている。
アリストテレスの解釈に基づく徹底的な研究をはじめ、それらが十字軍遠征を経て、後に
ヨーロッパにおいて各科学として花開いたことは周知の通り。
 イスラーム神学はその論理の精緻において、決してキリスト教神学に劣るものではない。

 そんなこんなで、入門書としては最適なのがこの一冊。極めて平易に書かれているが、
それと同時に、その世界観に深く切れ込んでいたりもして、なかなかに侮れない一冊。

 何の関係もないが、神戸のモスクはすばらしく美しいので、もしよろしければどうぞ。
入門書として好適 ★★★★★
世界三大宗教のうち、日本人にとってもっとも馴染み薄いのがイスラーム教である。大まかな印象を言うなら、カーバ神殿またはどこかのモスクで大勢の信徒が額ずきながら礼拝を行う前近代的な映像が頭に浮かび、また、埃っぽい街でいつも戦争している好戦的なイメージがあるのではないか。断食があり、肉や酒など禁忌が多い宗教、というイメージは、現代の消費社会とは相容れない。テロ事件を持ち出すまでもなく、どちらかというとネガティヴなイメージの強い宗教である。しかし、私が知っているイスラーム教徒は、誰も皆まじめで穏和な性格の人々であり、「左手にコーラン(クルアーン)、右手に剣」という、キリスト教徒が捏造したという荒々しい印象からはほど遠い。イスラーム教は西洋文明からもっとも誤解されている(理解されていない)宗教であろう。

本書はあるイスラーム教徒の留学生からいただいたものである。イスラーム世界の歴史や思想、社会の構成や問題点などを概観した本であるが、読む前の予想と異なり、実にリズムよく、簡明かつ的確にまとめられていて、非常に優れた内容であると思った。何と言っても、文章力が大変優れていて、非常に読みやすい。

私は実のところ、興味をもって読み始めたわけではなかったが、大変興味深く読めた。多くの日本人にとって、本書は残念ながら関心の外であろうが、無関心のレベルからこれだけ多くを得た私自身の経験から、本書は入門書として推薦できると考える。宗教とその思想を知ることは、相互理解の基本であろう。
少しはイスラームについて知ろう ★★★☆☆
9・11テロ以降、日本人もイスラームについて興味を持つ人が増えたであろう。しかしそれは、自爆テロなどの好戦的なイメージと結びついているだろう。そのような先入観で語る前に、まずは本書で基本を抑えるべきである。300ページもあるので軽い気持ちでは全部読めないが、最後の「現代世界とイスラーム」を読まないと意味がないので、何とか読み通してほしい。
イスラーム世界が広がる ★★★★★
イラクや石油に関連して、イスラム世界への関心が増している。小生も仕事で関係するようになった。本書と「イスラム教入門」(岩波新書)を読んだが、本書のほうが各種の違いがポイントよくわかるような気がした(一方、コーランをクルアーンとするなど発音に的確にするため表記を変えているので初心者にはとっつきにくい面がある。)。入門書とはいえ、情報量は豊富で、大学教養部の1講座分ぐらいあり、読破にはそれなりの忍耐力が必要。