初コミックス巡りも、ひとつの醍醐味
★★★★☆
私は『嵐のあと』でこてんぱんにやられて、日高さんのファンになった口なので
この作品は日高さんの初コミックスという事で、多少の物足りなさは感じてしまいます。
日高さんが商業誌デビューされるまでどのような経緯を辿ってきた方なのか、
残念ながら良く知らないのですが、経験不足からくる作品の弱さはどうしてもあると思う。
ただこの一冊の中で、どんどん上手くなっていくのを見るのはとても楽しかったです。
特に好きなのが、『遠距離恋愛』
検事と警察官僚の恋。二人の職場は極近いのに、お互い忙しくてなかなか会う時間が無い。
絶対に知られてはならない関係という事でも、タイトルの付け方がうまいと思います。
ちょっとヘタレな検事、羽沢の突っ走りぶりがかわいく、結局それに答えてしまう
生真面目な瀬尾。ほほえましい二人ですな。
好きな作家さんの初期の作品を辿るのも、ひとつの醍醐味だと思います。
どこにでもある恋愛事情
★★★★★
ホントに一冊目のコミックスですか?という感じ。
画力が安定しているしストーリーもしっかりしている。
普通の日常をやたらドラマティックにせず読ませるのはかなりのものだと思う。
どこにでもある恋愛事情という感じでどれもスンナリ読めた。
絵にも癖がないし、やたらベタベタ甘いわけでもない。
それでもきちんと感情の起伏にメリハリがあって、
ぐいっと引き寄せる見せ場を作ってある。巧い。
コマの割り方や魅せ方が絶妙で、決して露骨ではないセックスの描写がやたらと色っぽく感じた。
個人的にはキャリア組のお話が好きです。
かといって設定ありきなわけではなく、学生さんも先生もリーマンも全部面白かった。
この人は凄いかもしれない。今後に期待したいと思います。
静かで切ない恋愛劇・・・奥が深い短編集
★★★★★
短編がいくつか載っています
クラスメイトの恋愛を描いたものから始まり、その教師の恋愛劇へとリンクしています・・・
静かに始まった恋愛、気付かされた想い、すれ違いなど、センチメンタルに切なく描いてくれているので、スっと馴染むように読めました
特に先生編が好きです・・・
キャラの性格、行動、そんな2人の恋愛は・・・と、一気に読めました
絵もとても素敵です!!!
静かな恋愛を楽しみたい方にはオススメの作品です
激しいエロ描写などはないですが、メンタル面でとっても楽しめる作品でした、トキメキと切なさを頂戴しました・・・!!
スルメのような。
★★★★★
コミックスが出るのを心待ちにしていた漫画家さんです。
絵柄はひとそれぞれの好みだと思いますが、細く軽い筆致で描かれる少年・青年が爽やかです。
派手な絵柄ではありませんが、描かれる人物の表情やちょっとした仕草に清潔感のある色っぽさが漂います。
ストーリーは読み切りで、高校の同級生、教師とデザイナー(元同級生)、旅館の息子(画家)と喫茶店の店主、などなど。
表代作『足りない時間』は教師とデザイナーの話で、書き下ろしの後日談も掲載されています。
ストーリーは日常的で、絵柄は地味めですが、一度読むとまた読みたくなる、読めば読むほど味がある、そんなコミックスです。