みんな美しいなあ
★★★★☆
東京オリンピックというのがひとつの時代の節目と認識されていた1963年の作品です。これ以外にも近づく東京オリンピックを認識させるクレージー作品はいくつもあります。その中でも新設された国立競技場を舞台にした場面は圧巻ですね。そのほかにもマンションや東京五輪のために建てられて、いまやなくなってしまったホテルなど。面白いことに、ゴールが国立競技場のグラウンドには置かれていません。そして空が信じられないほど青いですね。今回はなんといっても女優陣が圧巻です。今も現役で活躍している美しい女優が何人も出てきます。ファッションも驚くほど古さを感じさせません。みんなその後の人生の変転を示唆するものは何もなくただ美しく輝いていますね。おまけに京塚昌子さんも出てきています。筋の構成上、どれもがみな主人公なわけで、その点では最後までその平等な関係性が維持されることになります。最後の落ちはちょっとこれまでの作品とは異なる意外な終わり方です。でもいつも変わらないのは、化粧品という商品の販売が持つ独特の特徴です。ここには何か変化があったのでしょうか?