でも、メロディアスな本編から一転して、トラック12、13の「ハンギン・ラウンド」「パーフェクト・デイ」の未発表アコースティック・デモ/ボーナス・トラックで聴かせるルー・リード渾身の弾き語りには、圧倒されました。ボブ・ディランなんかもそうだけども、ルー・リードも含めて、60年代から70年代のフォーク‐ロック革命の渦中にあった人物による弾き語りは、現在流行りの(ハウス風の)R&Bやトランスなどのメカニカルな音作りが少しの間が経って最新の機器が導入されればすぐに古臭く感じられるのが必定なのに対して、そして「プラグド」と対になって「プラグド」を引き立てるために駆り出される安っぽい「アンプラグド」とは違って、永遠に色褪せない響きや音楽に対する高い志を感じさせてくれます。
詳細なオリジナル・ライナーノーツ、ルーをフィーチャーしたピクチャーCDは力作です。トラック13が終わった空白のあとには、隠しボーナス・トラックとして、『トランスフォーマー』の代表曲がBGMとして次々と流れるなか、(ルーによるものではない)ナレーションがアルバム紹介をしていく(ので、たぶん)ラジオ・スポット(CM)が入っています。