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プロレタリア文学はものすごい (平凡社新書)

価格: ¥714
カテゴリ: 新書
ブランド: 平凡社
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ある時代の見果てぬ夢への招待 ★★★★☆
たまに図書館に行くと、相変らず、装丁が同じ日本文学全集が並んでいます。有名な巨匠と並んで、複数のもう忘れ去られたであろう作家数人がその狭い背表紙に並んでいるものもあります。この忘れ去られた作家の代表がいわゆるプロレタリア文学です。この忘れ去られた文学を、プロパガンダとしてではなく、現代にもう一度”作品”として呼び起こすためには、荒俣さんのように、プロレタリア文学を”公共的なホラー小説、変態小説、ポルノ小説(233ページ)”と捉えるアプローチしかありえないのでしょうね。また現代の厳しい出版事情では、これらの作品は、このような形でしか、取り上げることが許されないのかもしれません。この中で取り上げられているものは、有名なものから、もはや作品としても忘れ去られたものまで、多数含まれています。”24の瞳”や”平林たい子”の部分は特に、参考になります。著者の結論は、”正直なコミュニストにとっては、闘いの連続でとても文学なぞ書いている暇はなかった”ですが、つまるところ、この文学も、時代の流行の最先端を行く人々の一種の知的fadだったのでしょうね。そうであるとすると、世紀末フランスのデカダンス文学との強い関連も納得が行きます。ともあれ、読んでみてください。
プロレタリア文学の新しい読み方 ★★★★☆
博学の人、荒俣さんが、プロレタリア文学について書いた本。荒俣さんはプロ文の研究者ではありませんが、現代のプロレタリア文学研究が課題としている問題に鋭く関わる読み方を、しかもものすごく面白く書いている。プロレタリア文学に興味を持つ人が増えるのは、たいへん喜ばしく思います。