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蟹工船・党生活者 (角川文庫)

価格: ¥380
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで確認
これは現代の「蟹工船」である!! dvd女工哀歌は必見!!, ★★★★★
dvd女工哀歌【作品概要】
“これは、あなたの服を作っている少女達の話”
これは現代の「蟹工船」である!!

◆中国の、とあるジーンズ工場に潜入し、「中国製」という名目の下で私たちが安く服を買える理由(現代の労働問題やグローバル社会)に迫るドキュメンタリーの傑作!

【ストーリー概要】
誰もが1本は持っているジーンズの生産過程に注目し、世界の衣料品の大半を生産する中国の工場を密着取材したドキュメンタリー。
今や“世界の工場”と呼ばれるようになった中国の舞台裏に迫るため、工場で働く10代の少女たちの日常生活を追う。
監督は、ドキュメンタリー作家として活躍するアメリカ人監督ミカ・X・ペレド。急速なグローバル化への疑問と同時に、過酷な生活の中でも夢や希望を失わず、健気に働く少女たちの姿をとらえ、重い題材を時にコミカルな視点で描いている
新装版で文字が読みやすく、しかも値段が安い。 ★★★★★
日本プロレタリア文学の金字塔。
新装版で文字が読みやすく、しかも値段が安い。
雨宮処凛による解説付き。

著作権が確か切れているはずで
ネットでも読むことができます。
他にマンガ本も出ています。

蟹工船:

昭和初期の頃の
帝国軍隊ー資本家ー労働者の関係
を知る手がかりになる多喜二の取材を通した物語。
どこまで真実か注意する必要はあるかと思ったが、
形はかわったにせよ、自殺・餓死に追い込まれる
現代のワーキングプアは同じ構造上の問題を抱えている。

党生活者:

自らの地下生活の体験を元に書かれた物語。
これを発表した翌年、著者は特高警察により虐殺されている。
彼の生活環境を非常にリアルに感じる事ができる作品。
異常な環境下でもユーモアを失っていない。
中国語版と照らし合わせで読んでます。雨宮処凛の解説付きです。 ★★★★★
シニアの趣味で中国語を始めました。先日偶然「書虫」というところか
ら中国語版を買いました。そして、照らし合わせて対訳で読むのに、角川
版を買いました。じつのところ、読むというより、見るだけですが。

函館の貧民街や東北の農村から集められた労働者や農家の子供たちが蟹工
船に乗っているので、全編方言が飛び交う中で、ドラマチックに筋書きが
展開します。
昔、山村総の映画を見ましたが、小説がシナリオのように、劇画的な展開で
迫力がありあす。
蟹工船の「付記」で多喜二は「この一篇は「植民地における資本主義侵入
史」の一頁である。」と書いてますが、その通り、当時の日本の、国際関
係ー軍隊ー財閥ー非正規労働者のつくりだす社会構造が、いきいきと分析
されています。『経済学』の教科書を読むようです。

後ろに雨宮処凛の「新装版にあたって」があり、現代日本の非正規労働者の
実態が、1920年代の蟹工船の時代の社会構造を再現しているかのようだ、
と書いてますが、的確な指摘です。

さて中国語版ですが、私の買った叶訳のほかに、李思敬訳があるようです。
それと、もちろん、1930年ごろいち早く中国語に訳され、多喜二が序文を
寄せているようです。
偶然、4,5日前に、webでfumisan中文書房というサイト
http://fumisan215.exblog.jp/m2008-07-01/
で、蟹工船の中国語の訳文が連載されているのを知り、ああ、中国にも蟹工船
で日本語を勉強している人がいるんだ、とびっくりしました。

今年3月27日の朝日新聞「昭和史再訪」で蟹工船が取り上げられていて、北京
大学の秦先生の監修で「マンガ蟹工船」が昨年出版されたようです。
競争ではなく連帯をもって弾圧者に対抗していく姿勢を弱い大衆に説く作品 ★★★★★
蟹工船は130ページ以下の中編。現代語で書かれており専門用語などには注が付いておりますので1929年の作品とは思えないほど無理なく読めます。基本のメッセージは1)働く人が正当にお金をもらうべきであり、そこから不当に搾取している働かない経営陣やそれに加担する政治(この場合は軍部)はよくない、2)事態の打開には、一人一人の声ではかなわないのだが、多勢である弱い立場の人間(この場合は労働者)が団結すれば未来はあるということ。解説で現代のネットカフェ難民に似たような状況をみると書かれていますが、蟹工船のような状況は現代社会のどこでもでもみられる状況です。特別、共産主義の話というわけではありませんので構えて読む必要はありません。豊かな国における貧困の問題に対する姿勢はキング牧師などとも共通するものがあります。党生活者も同じ長さの中編。小林多喜二本人の自伝的内容。多喜二が警察で拷問死する前年の1932年の29歳の時に書かれています。20代の若者が警察に思想の違いから追われ、私生活を一切捨て、食も切り詰めながらも労働者を搾取する会社と軍国主義に抵抗を続けていく当時の時代背景の理解に重要な作品。この後、さらに10年以上にわたり思想的弾圧が過激に続いた事実には驚きます。党生活者は多喜二が殺されたため前編のみ書かれ、後編は書かれませんでしたが、前編だけで話は一応の完結はみます。多喜二は主人公に協力する女性が運動のために犠牲になっていく姿勢を書いており、このくだりが非難を呼ぶこともあるようですが、周囲をも巻き込む異常な状況を隠すことなく描いた姿勢はフェアです。後編でこの問題に対する解決を期待したかったところですが、後編を完結することも運動に対する協力者の犠牲を防ぐこともできなかったのは多喜二自身の責任ではなく、当時の弾圧者側にあることはあきらかです。両作品とも、使い捨てのように搾取されている者に、“競争ではなく連帯”をもって弾圧者に対抗していく姿勢を訴えています。
たまにはこういう本もいいかも。 ★★★☆☆
長男が夏休みに読む本を一緒に買いに行ったら、その中にあった一冊。
きっと勉強で知ったのでしょうね。

さて、内容ですが、どちらも重〜いですね。でもきっと現実にあった話だろうし、これなら資本家は悪だと思うかも。とはいっても、派遣切りなど雇用不安定な時に、この本が売れるのはちょっと解せないですね。
そりゃ社会の仕組みが悪い側面もあるけど、だからと言って団結したって解決しないでしょう。自分たちでも自分たち自身に何か働きかけをしないと‥‥。

なんてことを考える一冊でした。